「什一献金」と教会の近未来

2018年2月8日木曜日

「什一献金」問題

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 最近2回続けて「什一献金」について書きました。
 以下にリンクを貼っておきます。什一献金について、私の考えを述べたものです(①→②と呼んでいただくと流れがわかると思います)。

①クリスチャンって、「什一献金」を捧げるものなの?

②コインチェックの衝撃 / 什一献金を巡って / 賢さとは

 さて、今回は上記記事に関連して、ちょっと教会の「近未来」を予測してみたいと思います(預言ではありません笑)。当たるかどうかは20~30年後にわかるのですが、その頃まで、この記事が残っていればいいですね。

人口減少―教会減少

 いきなり暗い話ですが、「平成28年版高齢社会白書」(内閣府)によると、2048年に日本の総人口は1億人を下回る予測だそうです。現在問題となっている少子化が改善しなければ、あるいは移民受け入れ等しなければ、日本はどんどん人口が減っていくわけです。

 同時に高齢化も進んでいきます。2035年には高齢化率33.4%、つまり3人に1人が高齢者になります。2060年には約40%、2.5人に1人が高齢者です。人口減とも相まって、日本はなんとも寂しい感じになりそうです。

 その頃には当然ながら、教会もクリスチャンも減っているはずです。残っている教会は(今より)高齢者ばかりになるでしょう。
 クリスチャンが増えている可能性は・・・、相当低いと思います。と言うか、まずあり得ません。「大リバイバルが起こる」と根拠なく期待する人もいるでしょうが、希望的観測が過ぎるでしょう。

 日本のキリスト教界(プロテスタント)では、もうずいぶん前から「牧師の不足」が問題視されていました。牧師の高齢化、牧師を志す若年世代の減少、などがその要因です。無牧の教会も増えているようです。
 これらが今後、劇的に改善するとは思えません。過去20~30年の実績を見ればわかります。問題視されていましたが、具体的な対策は、何もありませんでしたから。
 みな雨が降るのを祈るばかりでした。そして雨が降る前に、祈り手の方がいなくなってしまった感じです。

什一献金で立ち行かなくなる教会

 さて、冒頭の記事でも紹介した通り、信徒の什一献金が主な財源になっている教会があります。他に収入がなく、什一をやめたら回らなくなる教会です。
 そういう教会は什一を死守しなければなりませんから、聖書解釈や信仰も、それに合わせたものになっています(信仰によってルールが決まったのでなく、ルールのために信仰が決まった、という感じですね)。

 そういう「什一献金教会」は近い将来、厳しい状況になっていくでしょう。
 原因は言わずもがな、人口減少と高齢化の波です。
 教会人口が減り、いるのが高齢者ばかりになったら、どうなるでしょうか。間違いなく収入が減ります。什一を払える人数が減り、年金受給者ばかりになるからです。

 ここで一つ注意ですが、年金受給者に什一献金を義務付けるのは、どう考えてもおかしいです。
 なぜなら年金には、その人が労働者時代に「積み立てた分」が含まれているからです。

 一般的なサラリーマンで言うと、毎月の給料から年金が引かれ、保険料が引かれ、各種税金が引かれます。それが40年くらい続きます。年金はその間「積み立て」られますから、基本的に「本人が先払いしたもの」と考えられます(年金制度の細かい仕組みは省きます)。
 もしその人がずっと什一献金を捧げてきたのなら、老後に毎月の年金から十分の一を払うのは、「二重払い」になります。

 だから什一献金教会は、年金受給の高齢者から什一を取ることはできません。取ってもいいですが、それはもはや什一ではありません。

 それに年金は老後の生活保障なのですから、倫理的にも、良心の問題としても、高齢者に支払いを求めるべきでありません。あなたの両親、あるいは祖父母のことを考えてみて下さい。裕福な家庭なら問題ないかもしれませんが、十分の一を払わされたら、どうなりますか。
 
 というわけで、什一献金をしている教会の多くは、20年後には深刻な財政難に陥るでしょう。その前に信徒が減り過ぎて教会の体を成さなくなっているかもしれませんが、いずれにせよ危機的な状況になると予想されます。
 もし今現在すでに厳しいなら、今後もっと厳しくなると考えた方がいいかもしれません。
 その時に強いのは、あるいは見込みがあるのは、什一献金に頼らない教会です。

 だから什一献金教会の皆さんは、聖書解釈や信仰がどうであれ、そういう現実的な未来に備えた方がいいと私は思います。

 以上、近未来予想でした。
 繰り返しますがこれは「預言」じゃありませんから、もし違ったとしても「ニセ預言者」とか言わないで下さいね(笑)。

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