「ハロウィン悪魔崇拝説」のまとめ

2014年8月13日水曜日

キリスト教信仰

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 少し前に書いた「ハロウィン悪魔崇拝説」をまとめてみたい。過去の記事は下記の通り。

1回目
 ハロウィン・パーティのどこに悪魔崇拝の要素があるのですか、という話。

2回目
 ジョン・ラミレス氏が語るハロウィンの危険性と、その説の非聖書性。

3回目
 ハロウィンを祝っても呪われない人がいるということは、それは神の警告ではないということ。

まとめ
 もともと「収穫祭」という意味合いがあったハロウィン祭が、現在では娯楽的要素が多分に加わって、日本でも認知されてきている。一般的なイメージは、仮装パーティとか、子ども向けイベントとかと思われる。

 と、いう通説(というか現状)を「全て悪魔のウソだ」と主張するのが元サタニスト(?)のジョン・ラミレス氏である。日本でも彼を支持する人たちがいて、「彼は命がけでハロウィン(というか悪魔)の危険性を伝えている」「彼のために祈らなければ」「彼は悪魔からもサタニストからも狙われている」と言っている。

 そのラミレス氏のハロウィンに関する主張をまとめると、こうなる。
①カボチャをドアに飾ると悪魔の通り道になる。そして悪魔に憑りつかれ、四代にわたって呪われる。
②仮装はクリスチャンとしてのアイデンティティを失わせるので、キリストの救いから漏れることになり、悪魔にやられたい放題になってしまう。
 これはビデオで同氏がはっきり語っている内容だ。

 私の立場を先に書いておくと、「ハロウィンってべつに良くも悪くもないでしょ」だ。
 なぜなら上記のラミレス氏の二つの主張は、明らかに聖書に反しているからだ。理由はこうだ。
①悪魔の侵入を物理的に(カボチャで)コントロールすることはできない。
②仮装したってイエス・キリストを信じて告白する信仰は変わらない。
 すごく簡単な道理だと思うのだけれど…。

コメントについて
 次に、ラミレス氏支持者のコメントについて、ここで振り返ってみたい。リアルタイムで返事しきれなかったコメントもあるので、ここで私見を書かせていただく。

 まずは、「ラミレス氏は悪魔とサタニストから命を狙われている。彼のために祈らねば」というコメント。
 これは、ラミレス氏本人が動画で語っていることだ。同氏は悪魔についていろいろ知っているから、悪魔の秘密(?)をばらされるのを悪魔自身が危惧して、彼を「30日以内に殺す」と言ったとのこと。元同僚のサタニストたちも同様のことを言ったそうだ。

 私が思うに、「30日以内に殺す」と言って実際には殺せなかった「悪魔」なり「サタニスト」なりは、かなりの無能である。ラミレス氏はべつに逃げも隠れもしなかった訳だから、やる気があれば何だってできたはずだ。できなかったのは、それだけの能力なり覚悟なりがなかったからと思われる。
 ここで支持者らは、「それは神様が守られたからだ」と言うだろう。それが本当なら、なおのこと同氏の身を案ずる必要はない。神様は全能であり、その気になれば彼をいかようにも守れるからだ。彼のために祈る必要さえないし、悪魔やサタニストの企みを心配する必要もないことになる。

 次に、本当に悪魔が同氏に現れて、「30日以内に殺す」と言ったかどうかだ。
 私はそのコメント者に質問したけれど、同氏の他のビデオを紹介されただけだった。私はそのコメント者が同氏を信じた根拠について聞きたかったので、「客観的な証拠はありますか」と尋ねてみた。けれど、今に至るまで返答はない。
 ということは、おそらくこのコメント者は、同氏のビデオを見ただけで信じたということだろう。それも無条件に、なんの検証もなく、だと思う。恐ろしいことではないだろうか。
 ではこのコメント者は、たとえば私が「ニンジンには悪魔を退ける力がある」(大ウソ)とか言ったら、信じるのだろうか。

 次に、「メッセージの深いところを読み取りましょう。(ラミレス氏は)ハロウィンやカボチャを目の敵にしているのではありません」というコメント。
 いやいや、ビデオを見る限り、ラミレス氏はハロウィンとカボチャを大いに問題視しているでしょう。逆に、メッセージの深いところが何なのか聞かせて下さい

 そしてこのコメント。「救われた後でも、悪魔を祭る祝い事に表面的にでも加担することは、結婚しているのに違う人(異性)と手をつなぐのはいいでしょ? と言っているようなもの
 このコメントは、ハロウィン=悪魔崇拝だというのが前提になっている。コメントして下さったこと自体は嬉しいけれど、だいぶ文脈無視しておられる。私は「悪魔崇拝なんかじゃなくね?」と言っている訳で、そもそも前提が違う。いきなり同じ土俵に乗せないでいただきたい

 最期に、これは掲載しなかったコメントだけれど、こんなのがあった。
信じる人は信じるし、信じない人は信じない。それでいいでしょ。そこまで時間をかけて反対する必要なんかない
 これは私に対するコメントである。私が「ハロウィン悪魔崇拝説」に異議を唱えたのが面白くなかったと思われる。
 けれどこのコメント、矛盾している。つまり、「信じる人は信じるし、信じない人は信じない。それでいいでしょ」ということは、「賛成するも反対するもどちらでもいい」ということであるから、賛成したって反対したっていいはずである。それを、「そこまで反対しなくていい」と、反対することだけを拒絶するのはおかしい。だったら賛成することも拒絶してもらいたい。どちらでもいいと、ご自分で明言しているのだから

 という訳で、ラミレス氏のハロウィンに関する説もいい加減トンデモだけれど、それを支持する人たちの主張もどうかと思う。
 と、厳しいことを書いてしまったけれど、至極簡単な道理を述べたまでである。
 以上、「ハロウィン悪魔崇拝説」についてまとめてみた。

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