チャーチスクールで身につく学力について

2013年6月13日木曜日

教育

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 チャーチスクールに子どもを入れる前に、考えるべきことを項目別に挙げていきたい。
 この作業を通して、チャーチスクールが何なのか、見えてきたらと願っている。

■学習について

 まず大前提として、チャーチスクールで学力を高めるのは難しい。
 礼拝の時間や聖書学習の時間があり、どうしても授業時間数が減るからだ。1日1時間程度としても、年間にすると相当な時間になる。

 この問題を解決するには、生徒と教師の双方に負担を強いて、1日7時間~8時間授業にする他ない。が、そこまで長時間の授業に集中できるかどうか疑問がある。

 くわえて、そのチャーチの特性として音楽やダンスに力を入れている場合、自ずとそういう授業に力が入りやすくなる。普段から時間数が多く、何かの集会の前などは1日中ダンスということもある。それ自体は良くも悪くもないが、授業時間を圧迫するのは間違いない。

 次に、教師は基本的にプロではない。
 教師の能力は教員免許の有無で決まるものではないが、公的資格は決して無視できるものではない。専門の勉強と経験を積んできたプロに、素人が対等に張り合えるとは考えない方がいい。

 また、少人数制だから個別対応してもらえて良いと思うかもしれないが、その利点は教師の能力や、同級生の人数・特性によって大きく異なる。少人数だからきめ細かく、学力がつくとは限らない。

 特に中高生の学力は、チャーチスクールにとって大きな課題である。その子の進路にもよるが、深刻な学力不足に陥ることがある。
 大学受験をする場合、公立の高校生でも予備校を利用することが多い。じゃあチャーチスクールの高校生も予備校を利用すればいいかと言うと、そう単純にはいかない。予備校が生きるのは基礎学習ができているからであり、チャーチスクールの高校でその基礎を網羅できる保障はないからだ。

 くわえて、高校の教師というのは誰でもなれるものではない。何を目指すかにもよるが、どんどん高度になっていく内容を教えきる学力が教師自身になければならない。だから自ずと、公立高校の教師だったとか、塾の講師だったとか、専門分野で働いていたとか、そういう人が多いように思う。
 が、スクールによってはそういう人材を確保できず、まったくの素人がチャレンジするということもある。そういうスクールは、はっきり言うが生徒を実験台にしてしまっている(それでうまくいく場合もあるから恐ろしい)。

 チャーチスクールに子ども入れるべきか考える場合、まず学力についてよく検討すべきだ。
 学力の前に信仰だ、という人がいるが、順番として間違っていると思う。

 もちろん学力が全てではないけれど、学力が重要でないということにはならない。皆が大学教授になる必要はないが、話し合ったり、計算したり、困った事態を解決したり、計画したり、何かを信じたりする時、学生時代の学習経験というものが案外重要になるのは、誰もが経験的に知っているはずだ。
 それに就職すればわかることだが、働きながら日常的に勉強するというのは、簡単なことではない。それができる学生のうちに、十分やっておくべきだと私は思う。

 また、入学前にそのスクールの代表なり担当者なりが言うことには注意が必要だ。
学習面は大丈夫です」などと平気で言うようなら、入学させるべきではない。上記の通り、決して大丈夫なはずはないからだ
 それに、もし学習面に自信があるにしても、「大丈夫」と言うのは傲慢すぎる。

 また「神様がいるから大丈夫です」と言ったら、それは敬虔に見せかけた責任放棄でしかない。

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