「クリネミー」にご用心

2016年6月22日水曜日

クリスチャンのパーソナリティの問題

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■フレネミー?

 最近「フレネミー」という言葉を知った。
「フレンド」(親友)と「エネミー」(敵)を掛け合わせて、フレネミー。つまり、親友のフリをした敵、ということらしい。
"Sex and the city"とういドラマで有名になった造語だとか。
 ターゲットに近づいて親友みたいに接するんだけど、それで聞き出した情報に枝葉を付けて皆に広め、ターゲットの立場を悪くさせ、孤立させていく、という超戦略的な人種のことらしい。こわいこわい。

 その実態は「フレネミー」で検索すればイロイロ出てくる。興味のある方はどうぞ。

 でも、こういう人いるな。
 「フレネミーの見分け方」みたいなのが検索するといくつか出てくるけど、私が思う見分け方は、シンプルにこれ。

→噂話がすごく好きな人。

 これに尽きると思う。
 大して仲良くないのに「ねえねえ知ってる?」と噂話を持ちかけてきたり、「ねえ、あのときのアレって本当のところどうなの?」と腹を割らせようとしたりする。手広く情報を集め、アウトプットするときは、かなり話を盛る。気に入らない人間の不利になる情報を(盛って)流し、孤立させる。そうして自分が情報通であることをアピールする(情報通であること自体が、フレネミーを優位に立たせる)。

 だから噂話はしない・聞かない・気にしないのが一番だと私は思う。聖書も避けるように言っている。仮に言ってなくても、面倒くさいだけじゃないだろうか、噂話って。

 で、実はフレネミーはどうでもいいんだけど、この言葉から私が連想した造語が「クリネミー」。検索しても出てこなかったから誰も言ってないと思うけど、要は「クリスチャン」と「エネミー」を掛け合わせて、クリネミー。クリスチャンっぽくふるまう敵、という意味にしておこう。

■「クリネミー」にご用心

 クリネミーは、偽物クリスチャンという意味ではない。たぶん本人は本気でキリストを信じている。
 でも、いかにもクリスチャンっぽくふるまいながら、相手を責めたりコントロールしたりする。聖書を使ったり神の名を使ったりしながら、自分の正当性を主張する。相手を不信仰の側に置き、悔い改めを要求する。意識的にか無意識的にか、主従関係や支配―被支配の関係に持ち込む。そういうクリスチャン。

 たとえば先日「人助け」の話でも書いたけれど、後輩クリスチャンに親身になってお世話する先輩クリスチャン。後輩の家に足しげく通い、喫茶店でおごり、レストランでおごり、手を置いて祈り、聖書について熱弁し、「あなたを愛してるの。立派なクリスチャンに成長してほしいの」と言う。しかし相手が期待通りの反応をしないと、怒ったり責めたりして、従わせようとする。神様にでなく自分自身に。

■クリネミーの得意技:赦し

 また、悪事がバレたクリネミーの常套手段の一つに、「クリスチャンなら赦さなきゃダメでしょ?」というのがある。
 自分が悪いにもかかわらず、簡単に謝罪しただけで、「私が謝罪してるのに、あなた(たち)はなんで赦さないの? それでもクリスチャンって言えるの? 謝っている人と赦さない人と、どっちが不信仰なわけ?」とか言って、逆に相手(被害者)を責めたてる。ウソのようだけど(むしろウソであってほしいけど)本当にある。こういう事例。

 ある牧師がシャレにならない悪事をはたらいて、それがバレて、逃げた。取り巻きの信徒を何人か連れて。教会のスタッフがそれを追いかけ、一応、話し合うことになった。
 で牧師が使ったのが、上記の文句。「もう私は悔い改めてるんですよ? なんで赦さないばかりか、こんな所まで追い詰めて、更に責めたてるんですか? 悪魔の影響を受けているのは、どっちなんですか?」
 取り巻きの信徒らは既に牧師に言いくるめられていたから、「教会の人たちってひどい」「聖書に従ってないじゃん」など牧師の肩を持つ。で、追いかけていったスタッフもすっかりキバを抜かれてしまって、「自分が悪かったです」とか謝る始末。

 今思い出しても腹立たしいケースだけど、そんな感じで、クリネミーは口がうまい。また戦略的だ。下手に近づかない方が無難かもしれない。もっとも、はじめからおかしいとは思わないわけで、だからクリネミーなんだけど。

■クリネミーの特徴

 そんなわけでクリネミーは戦略的で、操作的だ。水面下でいろいろ動いて、準備が整ったら一気に仕掛ける。豊臣秀吉の「墨俣一夜城」みたいな感じで、気付いた時はもう手遅れになっている(そういうひどい事例もあるので、いずれ紹介する)。
 だからクリネミーだとわかったら、近づかないのが一番だと思う。かかわらないに越したことはない。誰でも必ず攻撃されるわけじゃないけれど、いつターゲットにされるかわからない。正義感をもって戦ったとしても、失うものが多い。
 
 断定はできないけれど、クリネミーの大きな特徴だと私が思うのは、これ。

→カリスマ的だけど、なぜか昔からの友人がいない(あるいは極端に少ない)。

 クリネミーの現在の姿をみてみると、人気者で、人望があり、いつもまわりに人がいる。交友関係も広い。しかし、昔からの(長期間つき合っている)友人はいない。子供のうちはその攻撃性や狡さをうまく隠せないからかもしれない。あるいは長い期間の中でその危険性に気付いた友人たちが、離れていくのかもしれない。
 子供の頃を知る人に聞くと、「あいつは本当にひどいヤツだったよ」みたいなことを言うことがある。口を揃えて。
 そして、もう1つの特徴はこれ。

→人気者な反面、一部の人から非常に強く恨まれている。

 これはクリネミーの性であろう。情報を操作し、人々をうまく操作する中で、一部の人をひどく傷つけることがあるからだ。あるいは一部の人に正体を露見することがあるかもしれない。
 一般常識を守って生活している人であれば、多少の欠点や問題点があっても、そこまで強く人から恨まれることはない。嫌われたり反感をかったりすることはあっても、親の仇みたいに恨まれることはない。
 だからすごく人気があって、楽しげで、虫も殺さないように見えて、99人から好かれる人であっても、たった1人から激しく恨まれているとしたら、要注意だと思う。その理由はちゃんと調べた方がいい。

 というわけで今回は「クリネミー」という造語を紹介してみたけれど、その存在は造りものでなくリアルなので、十分注意することをお勧めする。
 クリネミーについて質問のある方がいたら、お気軽にどうぞ。

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