「地獄の扉」なるあやしい終末説について

2015年8月29日土曜日

「終末」に関する問題 クリスチャンと「常識」

t f B! P L
 某クリスチャン(?)ブログが取り上げている「CERN」について。

 また変な「終末説」が一部で主張されている。
 なんでもスイスにある欧州原子核研究機構(CERN)が今年に入っていから、大型ハドロン衝突型加速器を再稼働させたとのこと。それ自体は事実のようだ。けれど一部の変なキリスト教(?)団体に言わせると、この装置には、宇宙創造の引き金になったとされる「ビッグバン」を引き起こす程の力があるとのこと。そしてこの装置が地下にあるものだから、「地獄の扉」となって、そこから悪魔たちが地上に湧き出てくる、とか言っている。

 youtubeの動画があるから興味のある人は見ればいいと思うけれど(私はこの記事のために我慢して見た)、ちゃんちゃらおかしい。

 まず第一に、ビッグバンくらいの爆発がスイスの地下で起こるとしたら、「地獄の扉」とか言ってる場合じゃない。その爆発は(ビッグバン説が正しいとして)全宇宙の再構築が起こるレベルだから、全人類は瞬時に消滅するだろうし、そしたら悪霊とかもう関係ないでしょう。

 第二に、CERNで大事故なり大爆発なり、何でもいいけど彼らが危惧するような事態が起こって「地獄の扉」なる穴が開くとして、物理的な穴から霊的な存在(悪魔)が出入りするというのはナンセンスだ。そもそも悪霊はすでに存在している訳で、彼らは穴とかドアとか、そういう物理的な出入り口を必要としていない。

 第三に、彼らは黙示録9章の「底知れぬ穴」のことを言いたいのだろうけれど、聖書の記述を見ると、その穴を開けるのは星である。地下の施設とかビッグバンとか関係ない。

 第四に、これは疑問だけれど、わざわざ恐怖を煽る演出で映像を作る意味がわからない。おどろおどろしいBGMに意味深な(でもまったく関係ない)映像を羅列して、いたづらに人を脅かしているだけだ。それに途中、実験施設みたいなところでフォーメーションダンスをしている作業員とか、CGの宇宙人(?)が踊っているところとか、「何これ」な展開もあって、真面目なんだか不真面目なんだかよくわからない。むしろ冗談であってほしい。

 でもこれを紹介している某クリスチャン(?)ブログは「これは本当にやばい」「とりなし祈りながら見て下さい」とか言っていて、どうやら真面目である。これを見て何をどう「とりなす」べきなのか全然わからないけれど、強いて言うなら、フォーメーションダンスの作業員たちが足場から落ちないように祈ろうかな。

  この手のあやしい「終末説」は今までにもあった。
 たとえば2011年3月に東日本大震災があったけれど、同年9月、太陽系の惑星の配列が特殊な形になり、そこへ彗星が接近してきて地球の引力が乱れて再び大地震が起こる、みたいなことを変なキリスト教(?)団体が言っていた。 NASAからのデータ提供があったとか言っていて、いろいろな画像やデータ値を挙げていた。けれど結局何も起こってない。

 だからあやしげな「終末説」に踊らされてはいけないし、よく聖書が言っていること、あるいは言っていないことについてよく考えるべきだと思う。てかこの程度の話は一般常識のレベルで判断できる思うけれど。

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