2015年6月7日日曜日

【セミナー記録】「教会のカルト化 ―神のことばに混ぜ物をして売る危険―」から

 6月5日(金)、お茶の水CLCで表記のセミナーがあった。
 講師は村上密先生。「油事件」の影響か、会場は満員。一生懸命メモを取る方も大勢いた。教会のカルト化に対する関心が高まっているのだろうか。

 私も聴きながらメモしたので、内容をざっと編集しつつ、セミナー内容を紹介してみたい。
 もちろんこれは一参加者の興味と偏見による記録であって、セミナー全体を網羅したものではないのであらかじめご了承を。また編集段階で私の考えや感想が混じっている。

 また「福音に混ぜ物をする危険」というのが今回のテーマで、要は「繁栄の神学」を扱っているのだけれど、体系的な話というよりフリートークに近いものだった。だから箇条書きでまとめることにする。

・初代教会時代にみる、ユダヤ人伝道と異邦人伝道の違い

 使徒行伝にみられる、ユダヤ人向け伝道とギリシャ人向け伝道の違い。
 ユダヤ人には(主に)しるしと奇跡が多く現された。しかし異邦人には(主に)論証・弁証をもって福音が伝えられた。

 単純にユダヤ人が奇跡を好み、異邦人が論証を好んだ、ということではないと思う。どちらも大切であろう。奇跡にだけ注目するのでもなく、論証にだけ注目するのでもなく、両者をバランス良く見ようとする姿勢が重要なのではないだろうか。

 しかし奇跡を強調するのが、昨今問題を起こしている教会の傾向である。今回の「油事件」などまさにその典型。

 他にも初代教会時代のグノーシス派の侵入って話もあったけれど、よくわからなかったので(こりゃ失敬)、割愛する。

・「油事件」の情報提供者は村上先生

 もしかしたら皆知っていたかもしれないけれど、私は初めて知った。
 犯人が「油まき」の冒険談(?)をとくとくと語る
映像を入手し、それを京都の警察に提供したそうだ。

・キリスト教を侵食する哲学

 現在、世界で一番キリスト教に影響を与えている哲学は成功哲学である。
 成功した人が祝福された人であり、「成功=祝福」という構図が多くの教会を侵食している。そして福音と成功哲学が組み合わさったのが「繁栄の神学」である。
 ノーマン・ピールとナポレオン・ヒルがその考え方の提唱者で、韓国のチョー・ヨンギが世界的に広めた。アフリカではこれが爆発的に広まった。ガジマも信奉者で、400人を甦らせたらしいけど日本では猫一匹甦らせていない。

 言うまでもないけれど、クリスチャンは祝福とともに苦しみにも預かっている。成功と祝福だけではない。
 しかし教会がなかなか成長しない牧師らは肩身がせまく、手っ取り早い方法論に飛び付きやすい(あくまで傾向だと思うけれど)。そして弟子訓練とか霊の戦いとかの「神学なき実践」にハマっていってしまう。

・教会を蝕む「恐れ」

 呪いは3代、4代に及ぶと書いてある。そこから呪いを必要以上に恐れる傾向が生まれる。
 たとえば、ラーメン屋で出されたラーメンの器にドラゴンの模様があるとする。ドラゴンは悪魔の象徴だから、食べないで店を出ていってしまう。またテレビにドラゴンが映ると、すぐに消す。といった具合。

 しかし恵みは千代に及ぶと書いてある。計算すると、アダムから現代まででも千代もない。「千代」というのはユダヤ的な大袈裟な表現で、恵みは全代に及ぶ、という意味。

 呪いを恐れるあまり、動物の血を門や玄関に塗る人々もいる。
 よく寝坊する子に「悪霊よこの子から出ていけ」と怒鳴り付ける母親がいる。けれどそれが生むのは親子間の断絶でしかない。

・80年代の転機

 心理学の発達が顕著だったのが80年代。当時カウンセリングの手法を取り入れる牧師が多かった。しかしユングの心理学は神秘主義であり、なんでもかんでも悪霊のせいにされる傾向が強まった。
 また万民祭司を否定する向きも現れた。牧師が、神と信徒の間に自分を置くようになった。結果、明治にも大正にも戦前戦後にもなかった教会の奇行が昨今目立つようになってしまった。

・「五役者の回復」の誤り

 終わりの時代に五役者が回復するなんて聖書に書かれていない。またリバイバルが来るとも書かれていない。
 なのに五役者回復を支持する牧師らは、五役者に序列をつけている。すなわち使徒が一番、預言者が二番、って具合に。でもその序列でいくと、牧師って一番最後なんですけど?(ここ笑うとこ)
 また世の終わりに起こるのは世界的なリバイバルでなく、世界的な背教。

・その他、面白かったこと

 昨今、牧師が登壇する時に「ロッキー」とかのBGMを流す教会がある。おいおい、ボクサーかレスラーかよって話。

 どうにもならない状況で、しるしや奇跡を求める傾向が現れる。それで悪霊を追い出してもらうために身体中をバシバシ叩かれる人がいる。

 ベニーヒンの話。集会では熱心な人々を意図的に前列に集め、大音量で圧倒させる。暗示にかかりやすい前列の人々が倒れることで、会場中に連鎖反応を起こさせる。

 成功哲学そのものは悪いものではない。生き方を学ぶことができる。しかしそれを信仰の糧にするといろいろ問題になる。

・おかしな信仰が日本に入ってくる理由

 答えは単純明快。日本にお金があるから。貧しい国でやるよりずっと効率がいい。
 また日本は宗教教育をしていないから、免疫がなく、だましやすい。

・最後に注意

 新しい言葉に注意。聖書に書かれている単純な言葉を、仰々しい言葉で表現することに注意。その途中で混ぜ物が入るから。
 リバイバルは来ない。教会は減り、クリスチャンは減り、おかしな信仰に毒され、次第にダメになっているのが現状。

↑セミナーの様子。ちなみに帰りがすごい雨で泣けた。

2 件のコメント:

  1. お疲れ様でした。報告をありがとうございます。
    悲しいけど本当に現状はこうだということを実感しました。詳しく書けませんが、「悪霊追い出し」を頼まれて出かけて行く宣教師がいることも確かです。メッセージより「悪霊追い出し」をお願いされる・・・
    それを聞いたとき、「もうだめだ」と思いました。その教会との関係を断ち切りたいと思ったのはその時でした。
    教会の任務をもう一度再確認した方がいいと思います。
    これからもよろしくお願いします。細々ではありますがあきらめないでやっていくつもりです。

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  2. 会場の写真から熱気が伝わってきました。今回の事件をたくさんの人々が関心を持っているとわかります。
    村上密牧師は教会のカルト化が80年代に始まった説を支持していますが、パウロの存命中でもカルト化した教会が出ていました。日本でもホーリネスリバイバルが起こったとき、中田重治とあやめ夫妻がかなりの権力をふるったのは事実ではないのでしょうか。(とくにあやめはかなりの電波系で、中田はこの電波系の奥さんの尻に完全にしかれていました。)
    80年代の教会成長や繁栄の神学が、ただでさえおかしな方向にいきがちな新興宗教系プロテスタントの病気をより一層悪化させたのは事実ですが、だからといってそのようなムーブメントが入っていなかった70年代まではまともだったのか?と問われると、そうとは断言できないと思います。
    パウロもカルト化した教会には悩まされていたくらいですから、結局は人間の手で運営される組織に、カルト化しておかしくなる集団が出てくるのは当たり前なのです。仏教でもキリスト教でも、釈迦やキリストの手で直接設立された宗教法人はありません。
    とくにプロテスタントは本山がありませんので、暴走に歯止めを聞かせる装置が存在しないシステムです。よく「新興宗教系プロテスタントの教会がカルト化するのは教義に原因があるからである」と主張する人がいるのですが、教義だけではなく、歯止めになる装置のないシステムにも原因があります。

    ちょっと話は変わりますが、沖縄の婆原教祖は今回の事件についてコメントを求められると、「聖霊様にこの件についてはなにもしゃべるなといわれているから」といって、何も語らないのだそうです。たぶん何か知っているのでしょう。うっかりしゃべると大変なことになる「何か」を。彼女と今回の金山教祖との間にどういったかかわりがあるのかはわかりませんが。

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