「ハリーポッター」と悪魔崇拝の関係(あるいは無関係)について

2015年5月26日火曜日

「悪霊」の問題

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 昨年オープンしたユニバーサルスタジオジャパンの新アトラクションが関係あると思うけれど、「ハリーポッター」がまた盛り上がりを見せている。テレビで映画が続けて放送されているし、SNSでもその手の書き込みが増えている。私は全然詳しくないけれど、人気は根強いようだ。

 そこでまた注目されるのが「ハリーポッターは悪魔崇拝」みたいな一部のクリスチャンの言動である。「霊の戦い」「異言」「預言」「悪霊断ち切り」なんかを強調する人々がそれだ。

 彼らに言わせると、「ハリーポッター」だけでなく映画も音楽もゲームもファッションもガシェットも全て「悪魔崇拝に繋がっている」ことになる。もちろん全部が全部とは言わないだろうけれど、彼らが良しとするのはほんのわずかしかない。

 一つ呆れた例を紹介すると、「ベイブレード」という昔流行ったコマ遊び。ある自称クリスチャンに言わせると、コマの対決が始まると悪霊が召喚されて、コマの上で悪霊どうしが戦うそうだ。
「私のようにジーザスと繋がっていると見えるんです」とか自信満々に言っている。けれどその人が繋がっているのは神様以外のものだろう。なぜなら悪霊どうしが争うことはないと聖書がハッキリ言っているからだ。それにコマが回るだけで悪霊が召喚されるなら、その世代の子供たちは皆悪魔憑きになってしまう。

 仮に「ハリーポッター」が悪魔崇拝をベースにしているとしよう(あくまで仮の話)。
 すると視聴者は、気づかないうちに悪魔の影響を受ける(というのが彼らの主張)。
 じゃあ聞くけど、影響を受けた後はどうなるの?
 悪魔に憑りつかれるの?
 自動的に悪魔崇拝したくなるの?
 観た罰として救いから漏れるの?

 どれも聖書的ではない。
 崇拝は自ら意識して自主的にするものだ。気づかないうちにコントロールされてするものではない。仮に騙されて崇拝したとして、それはあくまで騙されてのことであって本人の過失ではない。

 そういうおかしなルール、たとえば「ハリーポッターを見ると悪霊の影響を受ける」みたいなものは、多くの場合人々の恐怖に訴えかけている。「これを見たら悪魔にやられる」「神様に怒られる」みたいな恐怖。

 でも「ハリーポッター」を例に言えば、それはエンターテイメントであり、フィクションであり、人をいろいろな意味で楽しませる創作物である。それを楽しむのは何も悪いことではない。むしろ人に充足を与え、夢を与え、束の間のやすらぎを与え、あるいは活力を与えるだろう。「魔法」をテーマにしているから「悪魔崇拝」と短絡的に繋げられているだけであって、NHKの大河ドラマなんかと性質は同じだ。「あまちゃん」を観て「悪魔崇拝だ」なんて言う人は誰もいない。

 だからそういう恐怖を煽る一部のクリスチャンの方が、よっぽど「悪魔的」だと私は思う。

 彼らは言う。
「一般の人は目が開かれていないから、悪魔にいいようにやられてしまっている」
 いやいや、悪魔にやられてるのはあんたたちでしょ。

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