クリスチャンの知り合いがいた。バカが付くほどマジメな中年男性だった。彼を仮にGと呼ぶ。
Gは親から譲り受けた土地と家を持っていて、奥さんと二人で暮らしていた。細かい経緯は知らないけれど夫婦ともクリスチャンだった。とある外国人牧師の教会で、長らく教会生活を送っていたようである。
Gと私はとあるキッカケで知り合った。教会が違ったけれど、時々会う機会があり、なんとなく「交わり」を保つような形になった。そしてそのまま何年か過ぎた。
今振り返ってみると、何年経っても私はGのプライベートをほとんど知らなかった。だから結局のところそこまで深い間柄でなかったのだろう。けれど会うたび、彼のキマジメさと熱心さに私は感心させられていて、なんとなく親しい間柄になっているような気がしていた。人間関係とは難しものである。
そんなGがある時、ひどくやつれた顔で私の前に現れた。悩みがあるのは言うまでもなくわかった。しかも一朝一夕に解決しそうなレベルでないのが感じ取れた。きっとひどく深い苦悩である。
けれど彼の口から出るのは「感謝します」「すべてを感謝します」「素晴らしいですね」「ハレルヤ」みたいなクリスチャン的偽善ワードばかりだった。「どうしたんですか」という質問さえできないくらい、彼はポジティブになろうとしていた。その健気な努力がたいへん痛々しく見えた。
けれどあれこれ話しているうち、大よその事態が見えてきた。まとめると以下の通り。
お世話になっている外国人牧師の指導で、Gの自宅の敷地内に「祈祷所」を建てることになった。そして「祈祷所」が完成すると、その牧師と何人かの関係者(?)がGの自宅に居候しはじめた。事実上、G夫妻との共同生活である。そのうち牧師はGの自宅や夫婦生活にまでいろいろ口を出すようになった。そしてG夫妻は自宅にいながら牧師たちに仕え、逆に居候みたいに肩身の狭い生活をするようになった。
多少の相違はあるかもしれないけれど、要はそんな筋の話であった。そしてGはやっぱり笑顔を作って言うのである。「これも神様のお導きなのですね。受け入れるのが信仰なのですね。それを喜べない気持ちがわずかでもある私は、まだまだ取り扱われる必要があるのですね。ああ、本当に悔い改めます」
今の私に言わせると「バカですか?」の一言だけれど、当時はそこまで断言できなかった。つまり私もバカだった訳だ。「神様のそういう導きもあるのかな」などとアホなことを思っていた。
残念ながらこの話にハッピーエンドはない。その後Gがどうなったか、私は全く知らない。それきり連絡が途絶え、会うこともなくなったからだ。もしかしたら牧師という名の寄生虫どもを追い出してハッピーエンドを迎えたかもしれないけれど、その可能性は極めて低いと私は思う。
人の家に一方的に祈祷施設を作らせ、その家に住みつくのがまともな牧師のすることでないのは一目瞭然である。けれどその牧師に言わせると、「信徒が同意したからだ」という話になる。一部正しいので、まわりは何も言えない。
これはもうマインドコントロールとか洗脳とかいうレベルの話で、キリスト教とは何の関係もない。キリスト教を騙っているに過ぎない。でも世間一般にはキリスト教の括りに入れられてしまうので、どうにも始末が悪い。
似たような被害に遭っておられる方がこの記事を読まれて、少しでも何か感じ取っていただければと私は心底願う。信仰と思ってガマンする必要のないことをひたすらガマンすることのないように願う。あなたは自由なのである。牧師はあなたに何も強制する権限はない。たとえあなたが従わなくても、神様が怒って罰をくわえるなんてことはない。あなたが従わなくて牧師が怒るとしたら、その牧師の方が問題アリである。また逆らう余地のない牧師だとしたら、余計に問題アリである。
訓練だろうが信仰だろうか霊的戦いだろうが何だろうが、あなたは自分の意に沿わないことをする必要はない。少しでも嫌なら拒否していいし、それは当然なのである。何の負い目も感じることなく、あなたはあなたの願う道を選んでいい。その自由意思は神様から与えられている。
祈祷所を建てて母屋を取られるですか(笑)。藤子不二雄Aの「魔太郎がくる!第九十六話 不気味な侵略者」に出ていたヤドカリ一家を思い出しました。あの作品は尼崎の角田美代子の連続殺人のときに、「この事件とそっくりだ」というので大変な話題になった作品です。
返信削除知らない人のために少しお話しますと、浦見魔太郎の父親が一人の男を連れて酔っ払って帰ってくるところから始まります。その男は浦見家に泊まったのですが、翌日になってもなかなか帰らず、夕方に息子が迎えに来たかと思いきや、当たり前のように夕食を用意させ、そうこうしているうちに男の妻や他の子供たちや年老いた親までやってきて、乗っ取られてしまうというストーリーです。
外国人の聖職者の図々しさには本当に呆れますが、推測するに、たぶんこの聖職者は自宅の家賃を払うのがもったいないと考えたのではないでしょうか?祈祷所を信者であるGさんの敷地内に建てさせたのも、いずれG家を乗っ取ってやろうという腹積もりだったのだと思われます。G家に角田美代子したならば、一銭も家賃を払う必要がなく、家賃の分の金額がまるまる浮きますので、自分が自由に使える金が増えますし、なんといっても祈祷所から目と鼻の先で都合がいいからです。自分の都合のためにG家に角田美代子して夫婦をマインドコントロールしたくらいですから、そのうちG家の土地建物一切を自分のものとするのは火を見るより明らかです。もしGさんに出会ったら、魔太郎がくる!の第九十六話を読ませたり、尼崎の角田美代子の話をしたりするのが一番だと思いました。
|ひどくやつれた顔で私の前に現れた。(中略) けれど彼の口から出るのは「感謝します」「すべてを感謝します」「素晴らしいですね」「ハレルヤ」みたいなクリスチャン的偽善ワードばかりだった。「どうしたんですか」という質問さえできないくらい、彼はポジティブになろうとしていた。その健気な努力がたいへん痛々しく見えた。
返信削除G氏本人がそれだとすると、奥様の具合はいかばかりぞや。
いるのですよね、雰囲気がすごくブッスーっとしてて、あまり気がきかなげで、結婚は「主に示されたから」たいしたことない男だったけど仕方なくしたのだと言いたげで、それでいて二言目にはイエス様がとか神様がとか言うから、接しているほうが配慮しなきゃならないような女性、特に牧師伝道者や熱心な信徒の奥方様。
心から正直に、しかも喜んででないと、証だとしてもダメに決まってるのです。
以前の教会で牧師夫人がそーだった。ものすごく暗い顔してて、軽鬱ですか?とも聞けない雰囲気で、誰か病院連れて行ってーって思う程、痛々しいかった。
削除本当に接している方が配慮しなきゃいけないよな女性だった事思い出したよ。
神様に示された結婚で幸せではないみたいな構図やめてほしい。神様に失礼だろ、もともと神様のしめし出なく、自分で牧師夫人になることきめたのに。好きだったから結婚したんでしょ?って聞いても、うん。と首を絶対縦に振らない。それでもって、牧師に従うこと=神に従うことって言っていたなんとも気の毒な牧師夫人だったけど、喜んでないことの方がかえってこんな結婚なら、神様私に示さないでくれって証しにならんだろっていうはなし。
Gさんがお気の毒でなりません。
返信削除私は、ここのサイトの『2015年4月26日日曜日』の『題名:その残念な伝道集会が失敗した理由 』で『匿名2015年4月27日 17:49』に投稿した者で、エリアハウス被害者(被害者とは言いすぎかもですが)です。呪文を唱え強制的に質問答えさせられたり言葉を言わされたりと、関わった関係者に対して未だに怒りが湧き上がりますが、聖書には『許しなさい』的な教えもあり(勿論聖書には、その話の前後も関係してくるので色々な意味があるのでしょうが)人を許せない自分がよくないと自分を悲観してしまったりと、かなり苦しみました。他にも色々あったので、現実今でも苦しんでいます。
『洗脳』は人を破滅する威力をもっています。クリスチャンである以前の問題で 基本的な道徳的な?思考能力の無い人が、教会で牧師だったり 役員だったり 子供の教育係だったりして・・・そういう教会にいて、そういう人を見てきてアホな指導者たちを笑っちゃいます。どこまで馬鹿な連中なんでしょうかね。。。
G氏さんやご家族さまが、お元気である事を心からお祈りします。
エリアハウスですが、これは自己啓発セミナーと非常によく似たものを感じてしまいました。一種のマインドレイプとでもいうのでしょうか・・・・?
削除X-JAPANのToshlがMASAYAの自己啓発セミナーで、元妻の香から「化け者アゴ男!」と罵倒されたのと似たようなものなのかもしれませんね。
自己啓発セミナーでも「幼いころのことを話しなさい」とトレイナーが受講生に命ずることがあります。どこの家にでもある親子喧嘩や兄弟喧嘩を「それがものすごいトラウマになっているからです。今のあなたが全然だめなのはそれが原因です!」とやったりするのです。それで従来の親子関係や兄弟関係を引き裂いて、セミナーのスタッフや同じセミナーを受けた受講生たちとで新たな家族を形成し、自分たちに依存するようにリードしていきます。
エリアハウスも信者をマインドコントロールするために、自己啓発セミナーの手法を取り入れたのではないかと思いますよ。