【キリスト教系時事】パレスチナ国家承認・法王の進化論支持

2014年10月31日金曜日

キリスト教系時事

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 最近のキリスト教系時事について。
 
・パレスチナ国家承認の動き
 
 スウェーデンが、パレスチナを国家として承認したとのこと。
 
 
 当然ながら賛否両論あるだろうけれど、これでパレスチナが国家としてイスラエルと肩を並べ、両者の和平交渉が進展するなら、望ましいことだと私は思う。
 それにリンク記事にもある通り、パレスチナは国民も領土も政府も有しており、国家でないと言う方が無理がある。今まで承認されてこなかったのは、イスラエルとの対立に絡む、政治的な意図があるように思える。
 
 けれど「ユダヤかぶれ」の牧師やクリスチャンらには、今回の承認は気に入らない動きであろう。
「パレスチナに味方することはイスラエルに敵することで、それは神に敵対することだ」なんて言いそうだ。そしてスウェーデン政府を「神の敵」、「反キリスト」とか決めつけかねない。
 
 パレスチナを国家として承認するかどうかの議論は以前からあり、上記のクリスチャンらの関心の的だった。ある教会など、承認されないように祈る時間をわざわざ設けていた。そして「霊の戦い」をして、勝ったつもりになっていた(今回の承認は、彼らの敗北を意味するのだろう)。
 
 彼らの「イスラエル贔屓」は盲目的としか思えない。以前も書いたけれど、ユダヤ文化を自教会に取り入れ、ユダヤ暦の行事をし、エルサレム参拝を神聖視する(まるで行けば神に会えるみたいに)。イスラエル軍によるパレスチナ市民への不当な攻撃には口を閉ざし、あくまでイスラエルを支持する。
 旧約聖書への傾倒が強すぎる。新約聖書の「恵み」を忘れ、律法に帰ろうとするかのようだ。「ダビデの幕屋の回復」にも熱心で、もう必要なくなって過ぎ去ったものを、そのまま回復させようと必死になっている。彼らが新約聖書を利用するのは、許してほしい時と、使徒職を主張する時くらいだ。
 
 もちろんイスラエルは神の選びの国で、神に愛されている。けれどそれとまったく同じようにパレスチナも神の選びの国で、神に愛されている。日本もそうだ。他の国々もそうだ。福音はユダヤ人にも異邦人にも救いを得させると、聖書が宣言しているのだから。
 
 だからある特定の国が特別で、その国の文化風習が一際重要で、それを取り入れるべきだ、という道理はない。たとえばユダヤ文化を全面的に取り入れるべきで、日本文化は二の次でいい、ということはない。もうしそうだとしたら、私たちは一体何人なのだろうか?
 
 旧約に従うなら、パレスチナは「神の敵」となり得る。けれど新約は「愛しなさい」と言っている。だからパレスチナは国家になるべきでない、神の敵だ、一般市民が犠牲になってもいい、と主張するのは、クリスチャンのあるべき姿ではない。というか、まともな人間の姿でもない。
 
 虐げられている人が権利を得、苦しみから解放されるなら、それを単純に喜ぶべきだと私は思う。
 
 ・法王の進化論支持

 ローマ・カトリック教会のフランシス法王が、ビックバンと進化論を支持したとのこと。

 http://www.asahi.com/articles/ASGBY51F2GBYUHBI00W.html

 ペンテコステ派を含む広義の聖霊派は、(主に)進化論を否定し、創造論を信じている。だからこのニュースは、きっと彼らには歓迎できないだろう。
「人間は神の創造物であり、猿からたまたま進化したものではない」というのが彼らの主張だからだ。「もし私たちがたまたま猿から進化したのだとしたら、私たちの人生も偶然の産物であり、意味などない、ということになってしまう」
 と、彼らは力説する。私もかつてはそれを当然としていた。

 しかしよくよく考えると、その主張は猿に対して失礼である。どのみち猿の存在に意味などない、と言っているからだ。
 本当に進化したかどうかの論議はべつとして、全ての被造物は意味をもって創られた、というのが聖書のメッセージのはずだ。一羽の雀にも神様は目を留めておられる。大事なのはそこであって、「進化したかどうか」ではない。人間が進化の結果であれ、創造の結果であれ、いずれにせよ神様はその個人に目を留め、愛し、導いておられる。私たちも自分の人生を生き、日々その意味を求めている。
 そういうレベルで見ると、自分の起源が進化だろうが創造だろうが、何ら変わることはない。仮にどちらが正しいかわかったところで、私たちの日常にさほど大きな意味はもたらさない。

 だから私は、そういう議論にはあまり意味がないと思っている。
 もちろん、天地創造の答えがわかるなら知りたい。でもそこにこだわり続ける余裕はないし、日々すべきことがある。

  ローマ・カトリック教会が今回の声明を出した経緯や背景はわからないけれど、とりあえず私の所感はそんなところだ。

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