真の被害者は誰なのか。『明日、ママがいない』について思うこと

2014年2月4日火曜日

生き方について思うこと

t f B! P L
 日本テレビのドラマ『明日、ママがいない』が物議をかもしている。舞台となる児童養護施設の描き方に問題があるとして、関係機関が抗議したのがその始まりだ。

 その後、世論の動きに合わせて、スポンサー企業も次々とCMの放映を中止させた。テレビ局側も、内容の改変を約束しているという。それに対して、「表現の自由が損なわれる」と危惧する声もある。まあ意見はいろいろあるだろう。

 私は児童養護施設の実態について何も知らないから、ドラマの内容について明確におかしいとか間違っているとか言えない。けれど、あえて悲惨な、センセーショナルな表現をすることで(いろいろな意味で)世間の注目を集め、結果的に視聴率を稼ごうというのは、テレビ局としては至極当然なスタンスではないかと思う(それが良いという意味ではない)。

 もちろん、その結果、身寄りのない子供たちが更なる被害を受けるという今回のケースで言えば、そのやり方は決して是認できないけれど。

 しかし私が一番気になるのは、同ドラマのに出演している子役の子供たちのことだ。
 ドラマの初回放送の前、出演する子供たちのインタビュー映像などが、盛んに流れていた。まだ10才前後の幼い子役たちが、非常に礼儀正しく、明るくインタビューに答えていた。おそらくその役を射止めるまで、大変なトレーニングを受け、いろいろなものを犠牲にしてきたのだと思う。だからこその喜びや意気込みみたいなものが、その子たちの中に見える気がした。
 しかしドラマが始まってみると、どうも世間の反応は、想像していたのと違った。多くの抗議が上がり、もしかしたらドラマは中止になるかもしれない、内容が大きく変わるかもしれない。そんな中、子役の子供たちには、どのようなフォローがあったのだろうか。私はそこが一番気になっている。

 結局大人の都合に子供たちが振り回され、傷つけられるとしたら、そのドラマが描く児童養護施設は、まさに現実のものとなっているのではないか。

 そのドラマの結末はまだわからない。ハッピーエンドかもしれない。しかしその子役の子供たちにとって、このドラマの終了はハッピーエンドとなるのだろうか。出演して良かったと思えるだろうか。そうであれば良いのだけれど。

QooQ