「もうダメだ」と思った時から何かが始まる

2013年8月29日木曜日

生き方について思うこと

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 人生には「失敗」が付きものだと思う。
 最善を尽くしても失敗することはあるし、良かれと思っていることがそもそも間違っているということもある。時には良くないとわかっていても、そうしてしまうこともある。
 私も期せずして失敗したことが沢山ある。その度に激しく落ち込んだ。

 落ち込む期間というのは人それぞれだろうが、私のそれはとても長かったと思う。何週間か続いたこともある。失敗した自分も落ち込んでいる自分も、そこから抜け出せない自分も嫌いで、そういう悪いスパイラルにどんどんはまり込んでいくような感覚だった。他者から見たらどうでもいいような種類の失敗なのだろうが、私にとって一世一代の大問題であったのは言うまでもない。

 そういう「失敗と落ち込み」がセットになって、ある程度の周期をもってやって来る。おそらく誰もがそうではないだろうか。そしてそれが人生の生きづらいところだと思う。

 しかしもう若いとは言えない世代になって、私の落ち込む期間というのは、かなり短くなっている。
 今の段階でわかるのは、失敗と落ち込みは人間にとって必要なものだ、ということだ。
 失敗というのは「学習」みたいなもので、落ち込みというのは「復習」みたいなものだと思う。それ自体は決して好ましくないものだけれど、それを通すことではじめて、見えないものが見えるようになる。ある人はそれを「成長」と言うかもしれない。

 気づかなかったものに気づき、わからなかったものがわかるようになるとしたら、それは「失敗」とは呼べないだろう。
 もちろん、人に迷惑をかけたなら謝らなければならないと思うけれど、その痛みを通ることで人間が人間らしくなるのだとしたら、それは貴重な体験だろうと思う。

 落ち込むことが非常な負担となる人もいると思う。若ければ特にそうかもしれない。けれどそれで人生が終わる訳ではなく、かえって人として重要な局面にいるのだと思ってくれたらいいのではないかと思う。

 私もよく、失敗した時は人生が終わったくらい落ち込んだものだ。けれど、そんなふうに「もうダメだ」と思った時から、何かが始まるのだと思う。

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