趣旨の曲解が未来を滅ぼす。麻生副総理の発言問題(?)から。

2013年8月2日金曜日

雑記

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 麻生副総理の発言が話題になっている。
「ナチスは民主主義を利用して憲法を巧妙に変え、独裁政治に走った。我々はあんな風になってはいけない。我々はナチスの手口を反面教師として学ぶべきだ」というような趣旨の、いたって真っ当な発言だったのに、日本の報道機関が「ナチスの手口に学んで改憲しようと思ってる」と、かなり曲解して報じてしまった。
 そしてその報道だけが世界を巡り、日本は(麻生副総理は?)各国の批判にさらされることになった。野党もそれを真に受けて、「辞職しろ」とか言い出した。

 報道機関は後から、その発言の全文を掲載した。が、報道内容の訂正は特にしていない。

 全文を読んでみたが、趣旨は上述の通りで、何も問題ない。それより報道機関の方がおかしいのではと私は思った。単に読み違えたのなら読解力がなさ過ぎるし、故意的にやったのなら大問題だ。

 こういう「趣旨の曲解」というのは本当に厄介だけれど、日常的にあるものだと思う。

 本当に言いたい結論があるのに、そこに至る途中の一部分だけを引っ張り出され、槍玉にあげられてしまう。そこにあるのは理解しようという心でなく、敵意だったり悪意だったりだと思う。
 が、それでは正常なコミュニケーションにはならないだろう。

 その背景には、主義主張の違いとか、イデオロギーの違いとか、価値観やそこからくる意見の相違とかがあると思う。
 自分とは違う意見や価値観を受け入れられない、認められないから、それにしっかり耳を傾けられないだけでなく、なんとか攻撃の糸口をつかもうとする。そして隙あらば攻めたて、相手を撃破しようとする。
 それは人間にとって本能的なことかもしれない。が、そこに留まっていたら争いは止まないだろう。そこから一歩抜け出し、相手の話をしっかり聞いた上での建設的な議論ができるようにならなければ、より良い未来というのは期待できないのではないだろうか。

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