結婚の取り扱い説明書

2013年6月27日木曜日

クリスチャンの結婚

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 結婚相手をどうするかで悩む人が多いかもしれない。が、それよりも重要なのは、結婚に向けてどんな準備をするかだと思う。

 相手選びで「成功」すれば大丈夫、ということはまったくない。そもそもその選択が「成功」だったのか「失敗」だったのか、判断しきれないからだ。

 結果的に離婚してしまったら失敗だ、と思われるかもしれない。が、別の相手だったら離婚しなかったかと言うと、そうとは限らない。DVとか不貞とか明らかな問題があれば別だが、離婚は基本的に夫婦双方に問題があってのことだからだ。
 離婚してしまった夫婦が互いのことを「最悪の相手だった」と評することが多いが、最初からそうだったはずはない。むしろ「最高の相手」だと信じて結婚したはずだし、事実、最高の相手だったはずだ

 また、離婚しなかった夫婦は結婚に成功したかと言うと、それも短絡的だと思う。夫婦のどちらか一方が、あるいは双方が、忍耐の限りを尽くした結果であって、全然幸せでなかったかもしれないからだ。
 そうすると、結婚において何が「成功」なのか、そもそもそういう二者択一の評価ができるのか、という問題になるだろう。

 そういうことを考えると、やはり結婚相手をどうするかより、どんな結婚生活にするか考える方が、よっぽど重要ではないだろうか。

 今でこそ「結婚カウンセリング」という言葉が聞かれるようになり、結婚前に受けるカップルもいる。が、だいたいが結婚前に数回受けるだけで、結婚後のフォローは少ない。教会員であればそこの牧師がフォローするかもしれないが、どこまで具体的にサポートするかはその牧師と、牧師との関係次第だろう。

 結婚カウンセリングは、私の経験では、結婚前よりも結婚後の方が効果がある
 結婚前だと、カップルが現実的な問題として認識できないことが多いからだ。しかし結婚後、いろいろ衝突していく中で、やっと問題を認識できるようになる。その時カウンセラーとかそれに類する人の助言を受けることが、軌道修正に繋がることがある。

 私は結婚は素晴らしいものだと思っているが、結婚したら自動的に幸せになれるとは思っていない。
 夫婦双方が真剣に人間として成長しようとしなければ、夫婦として成長することはできない。それには互いの努力が絶対必要だし、周りの人間のサポートも非常に重要だ。
 結婚とは、そうやって育んでいくものだと思う。

 離婚してしまう夫婦を見ると、その事情や心境はよくわかるけれど、残念でならない。「最悪の相手だった」となって去っていく前に、適切なフォローがあれば、「最高の相手」のまま結婚生活を続けられたかもしれないからだ。

 今はないかもしれないが、よく結婚披露宴の席で、新郎か新婦の友人らが贈り物として(ユーモアを込めて)、「〇〇さんの取り扱い説明書を贈ります。よく読んで注意してお使い下さい」などとスピーチするのを聞いたことがある。

 的を射た冗談だと私は思う。
 結婚の取り扱い説明書なるものがあれば、結婚はもっと簡単に良いものにできるだろうと思うからだ。

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