残念な「いやし」の集会

2013年5月16日木曜日

キリスト教問題

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 プロテスタントの超教派的な活動の一つに、「いやし」をテーマにした集会がある。
 海外の有名無名の講師を呼んで、「いやし」について講義してもらい、実践してもらう。よく川口リリアや板橋区文化会館などで、定期的にやっている。小規模なものも各地にあるかもしれない。

 ここで言う「いやし」とは、薬をのんで安静にしていたら風邪が治ったという類のものでなく、神様によって、病気や怪我が瞬時に治ったり、瞬時でなくても医療の常識を凌駕するような回復をしたりするという意味である。上記の集会のポスターなどにも、歩けなかった人が歩けるようになった等の実例が紹介されている。
 病にある方には、願ってもないことであろう。

 私は基本的に、神様が人をいやす方であると信じている。聖書には確かに、奇跡としか表現できない「いやし」の数々が記されている。そういう「いやし」が聖書の時代の話だけであって、現在は絶対にない、とは言えないと思っている。

 私個人のことを言うと、それらの集会に積極的に出席したいと思ったことはない。が、いつも母教会が奉仕で参加していたので、必然的に私も参加することになっていた。

 そういう訳で、奉仕のついでに集会での「いやしの実践」を見てきた。
 だが、今まで一度も、そういう集会の中でいわゆる「劇的ないやし」が起こるのを見たことがない。「いやされました」という個人の報告は聞いたことがあるが、実際にこの目で、その「いやし」の現場を見たことは一度もない。
 だから報告していた皆さんには大変失礼だが、それを事実として確証する術は私にはない。

 では集会中の「いやしの実践」では、どんなことが行われるのか。私の知る限りではこうだ。
 何らかの健康上の問題を抱えられた方々が、壇上に呼ばる。そこで講師に祈られたり、何か指示された動作をしたりする。そして、その問題に何らかの改善があったかどうかを確認する。

 結果、私が見てきた中では、「良くなった気がします」というような人しかいなかった。

 が、主催者側はいつも「主を賛美しましょう」と満足げである。事前に宣伝していたようなことは一切起こっていないはずだが。
 そういう集会を、何年も見てきた。

 主催者の方々のご苦労は相当だと思う。入場者数を見ると、会場使用料などの諸経費を賄えるのか心配になる。決して十分な収益があるとは思えない。
 それでも毎年集会を開催している。そこには少なからず善意があるのではないかと思う。
 その善意が報われるような「いやし」が起こってくれればいいと、個人的には願っている。

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