スーツは会社が支給したらいいのではないか

2013年3月26日火曜日

生き方について思うこと

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 知らなかったが、今日は明治大学の卒業式だったようだ。
 たまたま行った御茶ノ水駅で、「ご卒業おめでとうございま~す」とフリーマガジンが配られていた。
 見ると「R25」ならぬ「R22」。

 大卒生かその年代の若者を対象に、配っているようだった。私は新卒とはかけ離れた年齢だが、ちゃっかりもらってしまった。

 面白かったのは「『ニッポンの会社員』白書」のコーナーだった。
 日本の会社を全部で100社とすると、どうやら毎年1社は倒産しているらしい。1%の確率で倒産するって、案外大きいのではないか。その倒産する会社に入ってしまう新卒者もいるだろう。

 また、日本の社会人を全部で100人とすると、20代は14人しかいないという。それに比べて40代以上は62人もいるらしい。新入社員は肩身の狭い思いをしそうだ。逆に可愛がられる可能性もあるが。

 一つ気になったのは、「スーツの正しい着こなし方」のコーナー。

 

ジャケットの襟や袖からシャツが何センチ出ていればベストだとか、ネクタイがどうだとか、「マナーコンサルタント」なる人が細かく注意している。その通りにしなければ、とんでもないマナー違反になるようだ。何とも窮屈な気がした。

 スーツを格好良く着こなして仕事をバリバリ頑張る、というのは一つの価値観としてアリだと思う。が、この格好を毎日する合理的な理由があるのだろうか。仕事をしていれば身体を動かすし汗もかく。汚れる作業だってある。アイロンとかクリーニングとかにかける労力やお金も大変だろう。

 正装としてならわかる。冠婚葬祭のマナーとしてスーツはこう着る、というのは是非守りたいと思うし、正装らしく格好良く決めたいとも思う。しかし冠婚葬祭が毎日あるわけではない。

 スーツの意義とは何なのだろうか。

 かく言う私は、仕事でスーツを着ない。代わりに職場で制服に着替えている。

 制服は必要だと思う。
 例えば私の仕事は、どうしても汚れることが多い。これが私服だったら大変なことで、毎日服を新調しなければならなくなる。消防士とかペンキ職人にも同じことが言える。コックもそうかもしれない。コックは帽子を被っているが、あの帽子がなければ髪の毛が料理に入って問題になることもあるだろう。
 そんなふうに、制服にはそれぞれ意味があることが多い。
 

 その視点でみると、スーツも制服の一種と言うことができるかもしれない。
 いわゆる「ビジネスマン」共通の制服というわけだ。警察官がその制服で認識されるように、「この人はビジネスマンです」と認識してもらえる。そしてそれを正しく着こなすことで、まっとうな人間であることが証明される、というような意味合いがあるのかもしれない。

 だとしても、やはりスーツを着る人たちはかわいそうに思える。
 なぜなら私のような「制服業」は、制服は無償で支給されるからだ。どんなに汚しても破けても、メンテナンスやクリーニングを個人で負担することは基本的にない。
 しかしスーツや付属品は、全部自腹で調達しなければならない。汚したら自分でクリーニングに出し、古くなったら新調しなければならない。制服業に比べて非常に不利である。

 一つくだらない提案だが、スーツを制服と割り切って、社員のスーツ類はすべて会社が支給したらどうだろうか。そして、みんな会社でスーツに着替えるのだ。勤務時間中だけビジネスマンをしていればいいわけだから、通勤中までスーツでいる必要性はないのではないか。

 もちろんこの「R22」を見てもわかる通り、そんな時代は当分こないだろう。
 新卒者でスーツを買う人たちは大変だろうが、ぜひ頑張ってほしいと思う。そして彼らが中堅以上になる頃には、もう少し働きやすく生きやすい社会になっていればと願うばかりである。

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