Man on a Ledge

2013年2月3日日曜日

映画評

t f B! P L
邦題「崖っぷちの男」(2012年アメリカ)

■概要
舞台は高層ビルの窓の外。飛び降りると脅しつつ、密かに別計画を進行する主人公と、それを制止しようとする警察との攻防。

■あらすじ
ある朝、男は高層ホテルの21階にチェックインする。朝食もそこそこに遺書を書き、窓の外に出る。外はたちまち、投身自殺を見たい群衆と、制止しようとする警察、実況中継するテレビ局でいっぱいになる。その同時刻、向かいのビルの屋上では、ある男女が金庫室への侵入を試みていた。
男の目的は自殺なのか、それとも、他にあるのか。

■見所
二つの舞台でそれぞれ事件が進行し、終盤で収束する構造になっている。
飛び降り自殺を図る脱獄犯が主人公、というのは奇抜だが、共感しにくい。それを防ぐためか、主人公の素姓は早い段階で明かされる。観客は主人公の不利な状況を心配し、彼の計画が成功してくれることを願いつつ観ることになる。そのハラハラ感がいい。そしてその不利を逆転していく姿が爽快である。
また、観客は主人公の計画を知っていると思い込んでいるが、実は全てではない。最後の最後にサプライズがあり、ナルホドと思わせられる。
予算の多い大作ではないが、よくまとめられた職人芸的な作品だと思う。

■役者陣
主人公を演じるサム・ワーシントン、「アバター」以来「オレ様キャラ」が多いせいか、追い込まれていても自信満々に見えてしまう。弱気な主人公というのもイヤだが。何かやらかしてくれるという期待感を持たせる俳優だ。

黒幕の大富豪をエド・ハリスが演じている。
「アビス」以来大好きな俳優だが、ずいぶん年を重ねた印象がある。マッチョだと思っていたが、本作では痩せ細った老人である。しかし迫力というかオーラというか、何か見えない力を
持っているように思える。
個人的には、彼には善人を演じてほしいのだが。

交渉人に指名される刑事リディアを演じるエリザベス・バンクス。彼女はまったく無名だと思っていたが、「ハンガーゲーム」に出ているらしい。え、出てたっけ? 調べてみたら、カットニスたちに付き添ってキャピトルに行く厚化粧の女性らしい。全然違うじゃん! と思ったが、まあ化粧がすごいからね。
本作では主人公に理解を示して協力する、良い役である。

■総合評価(100点満点)
80点

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