アメリカで1月6日、トランプ派が議会に突入するという事件が起きました。大統領選の結果(バイデン氏の勝利)を議会が確定するのを妨害するためです。警察と州兵の介入により事態は収束しましたが、4名が死亡したと伝えられています。
リーダー次第でこんな酷いことになるんだ、という事実を明確に示してしまったなとわたしは思いました。
教会のリーダーが、不正が発覚して証拠も出たのに、絶対認めようとせず、むしろ「悪魔の策略だ」などと言い出して自身の潔白を主張したのを思い出しました。馬鹿げた言い分ですが、その顔は冗談でも何でもありませんでした。
自分以外の何かのせいにする、「陰謀論」は窮地に立つほど便利なツールです。
陰謀論はそれを信じたい人たち、陰謀が存在した方が都合がいい人たちによって、強く支持されます。自分にとって聞き心地の良い話ですから、彼らはその根拠やソースをろくに調べません。疑いません。
陰謀論は陰謀の存在によって発生すると言うより、それを必要とする人たちによって発生する、と言った方が正確かもしれません。
一番恐ろしいのは、陰謀論を支持する人が増えることで、「大勢が信じているから真実なんだ」と後付け的に真実に化けてしまう点です。「勝てば官軍」的に。
信仰もこれと同じ轍を踏むことがあります。
例えば「悪霊が背後で暗躍しているからあなたの人生はこんなに不幸なんだ」と教えられ、それを信じる人が増えると、自分の人生を脅かす「悪霊」の存在が(自分の中で)これ以上なくリアルになります。その人の中には「悪霊」が存在します。その方が納得できるからです。