キリスト教業界の歴史に学ぶ必要性

2020年10月9日金曜日

教会生活あれこれ

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 いろいろなクリスチャンの方々、特に若い方々が独自の活動を展開して「これからだ!」という雰囲気が今もあるのは嬉しい。

 けれど自分が入信した90年代初期も(あるいはそれ以前からも)似たような雰囲気があり、様々な活動が起こっては消えを繰り返して、現在に至っているのは覚えておいて損はないと思う。


 何人かの若手クリスチャンが集まってバンドを結成し、鳴り物入りでデビューした。ファーストアルバムは大々的に宣伝され、そこそこ注目されたようだった。これから華々しい活動を展開するのか、とわたしは少々うらやましく見ていた。が、セカンドアルバムはついに発表されなかった。


 そんなふうに長続きしない大小様々な活動が、当時は山のようにあったと記憶している。


 当時と今の決定的な違いは、集客力ではないかと思う。

 2000年代までは、超教派の集会で千人規模のホールが満席になるのは珍しくなかった。2007年に韓国の大物牧師が来日した際は、あの幕張メッセが超満員になった。その潮目が明らかに変わったのは2010年代からだったと思う。集会がガラガラで、驚いたのを覚えている(以降、そこまで大きな集会自体開かれなくなっている)。


 90年代後半のネット黎明期は「インターネット伝道」や「オンライン教会」が注目され、無限の可能性が広がっているように見えた。けれどその裏でリアルの集客力の減衰が徐々に進んでいたのではないだろうか。その結果なのか原因なのか、教会の信徒数も全体的に減少傾向にある。気付くと業界全体が、以前のような活気をなくしていた。


 90年代に自分が初めて参加した超教派集会は、「これから大収穫の時が訪れる!」ということでイケイケドンドンな勢いがあった。本当に大収穫が訪れるんじゃないかと思えた。しかしその結果はどうだったろう。

 今から活動を始める方々には、そういう歴史は押さえておいてほしいと思う。


 こう書くのは今の若い方々や過去の若い方々を否定したいからでなく、「自分がこの状況に一矢報いてやる」と思うのであれば、過去にどんな歩みがあったか知らないと、同じ轍を踏みかねないから。過去を全否定して「これこそ」という活動を始めても、それは過去に既に注目され、上手く行かず廃れたものかもしれない。

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