最近「モラ夫」という言葉を知りました。
「モラル・ハラスメントをする夫」という意味かと思います。
「モラ嫁」という言葉はないみたいですから、やはりモラハラをするのは男性が圧倒的に多いのですね。結婚して初めてモラ夫だと判明することが多いみたいですから大変です。何かそれとわかる目印でもあればいいのですが。これから結婚しようとする女性の皆さん、くれぐれも慎重に。
ところで私の教会の牧師は、今思うと、明らかにモラ夫でした。
牧師夫人に対して、ものすごく厳しかったのです。いや「厳しかった」と言うより、「異常に高圧的」かつ「脅迫的」でした。
この話はいろいろなところで何度も書いているのですが、たとえば牧師夫人の用意したお菓子のセンスが悪いとか、掃除の手際が悪いとか、祈りの文言が不適切だとか、そういうことで、牧師は彼女を怒って責めるのです。しかも徹底的に、執拗に、何度も何度もです。
でも私から見ると、牧師夫人のお菓子のセンスは悪くないし、掃除も普通にできているし、祈りも立派です。態度や言葉遣いが悪いわけでもありません(いやむしろ立派です)。だからなぜ牧師がそこまで怒るのか、理解できませんでした。牧師に言わせれば「同じ失敗を繰り返す女房が悪い」「何度も言わせる女房が悪い」みたいな話なのですが。
もしそれが牧師夫妻でなく、一般の夫婦で、かつ自分より年下だったら、「ちょっと厳しくしすぎだよ」みたいな言葉が自然に出てくると思います。現場に居合わせたら、思わず止めるかもしれません。それくらい目に余るものがありました。「それはモラハラだ」と判断するのも、難しくなかったでしょう。
でも実際はそれはキリスト教の牧師で、教会のリーダーで、大勢の信徒のお世話をしていて、(普段は)とっても優しくて、面白くて、気が利いて、聖書にすごく詳しい「聖職者」なのです。十年も二十年も地元で教会をやってきたベテランです。キリストの愛とか許しとか、講壇で涙ながらに語る「神の器」です。
そういう人物が、妻に対して時々、有り得ないような態度を見せる。これはいったいどう解釈したらいいのか? 信徒としては判断に迷います。まったくの部外者がその光景だけ見て「モラ夫だ」と判断するのと違います。しかも当の牧師が「これは妻に対する霊的訓練だ」と説明し、奥さんも「その通りです。私が悪いんです」なんて言います。信徒の立場で「これはモラハラだ」と判断するのは、残念ながら容易ではありません。
これは一般にほとんど認知されない、でも実在している「教会の闇」の一つだと私は思います。聖職者である牧師が深刻な人格的問題を抱えているのに、誰もそれに気づかす、あるいは気づいて指摘しても相手にしてもらえず、そうこうしているうちに被害者が深刻なダメージを受けてしまう、という闇です。
こういった「モラ夫×牧師」あるいは「モラ夫×クリスチャン」は存在しますが、信仰や教会が絡んでいますから、判別しづらいです。もしかしたら皆さんの身近にもいるかもしれません。見えないところで被害者が、ひたすら痛みに耐えているかもしれません。
だからまず「教会にもそういう問題があるんだ」と理解していただけたらと、私は思います。
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