JR常磐線の車内で妊婦さんが破水し、そのまま出産に至った、というニュースがありました。車内での分娩はいろいろな意味で大変だったと思いますが、母子ともに無事とのことです。珍しいケースですが、何事もなくて良かったです。
ただその間、電車が止まりましたので、急ぐ人には不都合があったでしょう。私も通勤電車が止まったら困るので、そこでのイライラは想像できます。
でも急な出産だったのなら、仕方がないと諦めるしかないですね。お互い様な部分もあると思いますし。
その昔、友人が電車を止めてしまったことがあります。
電車を降りようとして足を滑らせ、電車とホームの間に落ちてしまったのです。完全に落ちたのでなく、上半身だけ残る形で。
気づいた駅員さんが連絡してくれたので、助け出すまで、電車は止まっていてくれました。たぶん1分以内の出来事だったと思います。コントみたいな光景でしたが、あのまま発車していたら大惨事になっていたでしょう。
その現場を見ていない人は、なんで早く発車しないんだとイライラしたかもしれません。でもそういう不可抗力な出来事があったわけです。
まあ、足を滑らせた友人が悪い、と言えばそうかもしれませんが。
電車内で突然産気づいた妊婦さんを、非難する声もあるみたいです。「なんでそんな状態で電車に乗ったんだ」とか、「そうなることは予想できただろう」とか。
でもその妊婦さんにしたって、電車内で出産したかったわけではないでしょう。一番予想外だったのは本人だったと思います。
冒頭に書いた通り、そういうのは「お互い様」と考えた方がいいと私は思います。
電車が止まったと大騒ぎした人が、いつ足を滑らせて、電車とホームの間に落ちるかわかりません。臨月の妊婦が電車に乗るなんてけしからん、と言う人が、いつ心臓発作を起こして電車を止める羽目になるかわかりません。
明日は我が身と言いますが、人間いつ何が起こるかわかりません。「そんなのは予想できたはずだ」と言われても、予想できなかったから起こったのです。そしてそれは誰にも起こり得ます。今まで大きなトラブルに見舞われたことがないという人は、たまたま運が良かっただけです。
迷惑をかけた人を非難したくなるのは、人情かもしれません。でも自分がいつ迷惑をかける側に回ってしまうか、わからないのです。というより、人間誰しも、誰かに迷惑をかけたことがあるのではないでしょうか。
もう一つ、小室哲哉さんの引退表明が、大きな話題となっています。
テレビで引退会見が放送されましたが、衝撃を受けた方も多いようです。
私は「吊るし上げ」を見ているようで、途中で見るのをやめました。小室さんはあまり好きではありませんが、あまりに哀れだったので。
小室さんに限らず、昨今はああいう「吊るし上げ」報道がずいぶん多いなあと思います。なんと言うか、ちょうどいい攻撃対象を見つけてきて、皆でボコボコにする、みたいな。
たとえば小室さんが、普段から芸能スキャンダルを取り上げて「なんて酷い奴だ」とか「芸能界から追放しろ」とか言いまくっていたのなら、今回の報道は「あー自業自得だな」としか思わないでしょう。でもそうではありません。あら探しをされ、やり玉に上げられたような形です。そしていきなり公衆の面前に引っ張り出されて、事情を説明させられたわけです。こういうのを「吊るし上げ」と言うのだと思いますが。
聖書にも、こんなふうに「吊るし上げ」を食らった女性が登場します。
姦淫の現場で捕らえられ、キリストの前に引っ張って来られた女性です(ヨハネの福音書8章)。
ユダヤ人の律法によるならば、こういう女性は石打の刑に処せられます。だから男たちは石を準備して、キリストの言葉を待っていました。でもキリストはこう言います。
「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」
すると、皆自分の罪を自覚していたのでしょう、一人また一人と去って行きました。自分のことを思うならば、この女のことは責められない、と気づいたのだと思います。
これは聖書の有名なお話ですが、電車内で出産した妊婦さんのニュースと、小室さんの会見を見て、ふと思い出した次第です。
皆さんはどう思われたでしょうか。
不倫報道と世間の反応ってモヤモヤするよね。他にもベッキーさん、円楽さん、渡辺謙さん、山尾議員、藤吉さん、色々いたけどそれぞれ論調や叩かれ方が違うのが一番イヤ。男と女でも違うみたい。
返信削除それでそういう不倫叩き擁護派は、「山尾議員は税金で生活してるんだから、吊し上げ当たり前」って言うけど、愛人いる政治家だって昔からいるし、公務員も吊し上げますか?って感じ。
円楽さんは芸の肥やしだけど、ベッキーさんは清純イメージを裏切ったからダメ?なんだそりゃ。
じつはただのエンターテイメントにしてるよね。
(それにしても、聖書では石を持っていた男達は投げずに帰ったけど、今だと投げる人いそう…)
不倫報道はたしかに扱い方が違いますね。ここにも男女差別や、立場による差別がありそうです。話題性、いわゆるエンタメ化が重視されている感もあって、なんとも嫌な感じがします。
削除またおっしゃる通り、今は平気で石を投げつける人たちがいそうですね(苦笑
久しぶりのコメントです。
返信削除小室氏の介護不倫ですが、私は真っ先に村岡夫婦を思い浮かべました。
「あなた方の中で罪の無いものが~」と言いながら、村岡夫婦に苦い感情を思い浮かべる人に対して偉そうに説教するコラムを見て吐き気がしました。
それは村岡夫婦を徹底的にかばい、まるで何も悪いことはしてないというような書き方だったためです(人間は弱いもの、村岡花子は愛にあふれる女性だった、とか)。
どんな状況であろうと不倫は不倫、村岡夫婦は確かに罪を犯した、しかしそれを裁くのは神、というコラムだったら納得できたんですけどね。
そしてノンクリスチャンの夫婦だったら、このコラムを書いた牧師はかばったんですかね?クリスチャンの罪には甘くて、ノンクリスチャンの罪は叩く、というクリスチャンが多いと思います。
そして私も片栗粉さんに同感です。石を投げる人、今ならいそうですね笑
みわこさん
削除コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、クリスチャンには身内を庇う傾向があると思います。もちろん教派が違えば激しく対立することもあるのですが。
また「あなたがたの中で罪のない者がー」という聖書の言葉も、身内が責められないようにするための方便として、都合よく使われることがあります。本当に気持ち悪いですね。
こんにちは。
返信削除自分の言いたいことをちょっと書きます。
私はいわゆる氷河期世代で、小室氏の絶頂期を青春時代の1ページとして見てきました。たしか世紀末のあたり、ニューイヤーパーティーのテレビ中継だったか。当時の小室氏は文字通り日本の音楽シーンにおいて絶対的存在となっており、まさに冠を戴く瞬間でした。シャンパンを噴射して祝うパーティーピーポーの中で小室氏もまたシャンパンを噴射してましたが、その時の彼が何とも言えない表情をしていたのを記憶しているんですよ。喜びと悲しみと苦悩と、迷いと困惑と・・・とにかくあらゆる感情がないまぜになったような、幸せそうな顔ではなかったですね。まさかその20年後、このような経緯をたどると彼自身は予測できていたでしょうか。一度ぜいたくな生活に慣れると、浪費を主体にした生活しかできなくなるから衰退期に非常に苦しむのだそうです。別に盛者必衰と言いたいわけではない。ただなんともこの一連の流れは哀しいものがある。
ありがとうございます。
削除小室さんは全盛期、自分のことを「白鳥」だと言っていたと記憶しています。優雅に見えるけれど、水面下では一生懸命泳いでいるのだと。
その時は意味がよくわかりませんでしたが、今になってみれば、そうだったんだなあと感じるものがありますね。