【体験談】忙しすぎる教会(HN:ハミリオンさん)

2017年10月18日水曜日

体験談

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 今回は読者の方から頂いた体験談を紹介します。
 ハンドルネーム、ハミリオンさんが高校時代から数年間通った教会での体験です。
 題して「忙しすぎる教会」
 なおハミリオンさんによる原文を私フミナルが編集加筆させていただき、ご本人の了承を得て掲載しています。
 
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・忙しすぎる教会(HN:ハミリオンさんの体験談)

 私がかつて通っていた教会の話です。
 いわゆる「子供伝道」に力を入れている教会でした。伝道と言っても、楽しいイベントやオモチャやお菓子で子供たちを「釣る」ような感じでしたが。また子供と一緒になって大人たちもワイワイ楽しそうに遊ぶのですが、何とも痛々しく見えました。みんな無理をしていると言うか。

 とにかく忙しい教会でした。
 年4回のキャンペーン、年2回のセミナー、サマーキャンプ、教会創立記念フェスティバル、年末恒例のミュージカルと、いつも奉仕ばかりです。学生やサラリーマンなどは休日返上で奉仕しなければならず、休みなどありません。
 そんな状況だから働く職場も限定されます。日曜は必ず休み、木曜は(祈り会のため)残業なし、転勤不可、など。教会中心の生活を求められます。学生も同じで、部活動などしている余裕はありません。だからみんな中学生になると、部活か教会か選ぶことになります。当然ながら学業も二の次になります(学生の本分は学業だと思うのですが)。
 私は高校時代からこの教会に通いはじめましたが、その時すでに部活動をしていました。すると他の信徒から「まだ部活やってんの?」と、まるで悪いことでもしているみたいに言われました。正直怖かったです。

 教会は「弟子訓練」を取り入れていて、「牧師絶対服従」を教え込んでいます。マインドコントロールのようでした。そのせいか、信徒は上記のような万年奉仕に文句一つ言いません。むしろ喜んで頑張っているようでした。
 そういう人が大多数でしたから、奉仕に参加しないというだけで、罪悪感を感じてしまうのでした。

 年末恒例のミュージカルにはかなり力を入れています。出演希望者はオーディションを受けるのですが、出演希望でなくても受けなければならない雰囲気があります。私も年下の信徒から「(オーディションに)出るよね?」と聞かれましたが、無言の圧力を感じました。ミュージカルに誰もが夢中になっている、そんな空気を作りたいようでした。
 そのミュージカルは平日に開催されます。だから出演者もスタッフも会社や学校を休んで参加するのが当たり前でした(中には積極的に休みたい人もいるようでしたが)。

 教会には数々のルールがありました。
 偶像崇拝禁止、飲酒喫煙禁止、学生は部活動禁止、女性は礼拝では必ずスカートを着用(でも膝丈より短いスカートはダメ)、信徒どうしの連絡先交換禁止、教会内では賛美以外歌ってはいけない、などです。
 でもこれらのルールは明文化されておらず、誰もはっきり教えてくれません。注意されて初めて知るような形です。ずいぶん不親切だなと思いました。

 教会学校の教師が、生徒(信徒)の家に訪問する、いわゆる家庭訪問の制度がありました。しかし私の担当教師は日時など告げずいきなり訪ねてきました。ずいぶん非常識だなと思いました。私の家族はクリスチャンでなく、「家族に伝道しないで下さい」ともお願いしてあったのに、それも破られたようで興醒めでした。
 その教師はサマーキャンプの夜にも信徒と1対1でカウンセリングみたいなことをするのですが、カウンセリングというより説得みたいでした。何とかして私をコントロールしたいようで、重ね重ねウンザリでした。

 おかしいと思うことは他にもありました。
 たとえばあるイベントで射的やチョコバナナなどの出店をしたとき、お客さんに「ありがとうございます」と言ったら、先生に注意されました。「お金を取っているわけじゃないんだからそれは言わないで」とのこと。でもわざわざ来てくれたお客さんに何も言わないのは逆に失礼じゃないでしょうか。
 またイベントの度にサイダーをかけ合ったり、トマトを投げたりパイを投げたり、無駄遣いが多かったです。お金がどこから出ているのか知りませんが、教会がやることなのか疑問でした。
 イベント冒頭にいつも牧師や教師が聖書の話を延々とするのも疑問でした。

 私は大学に進学しましたが、前述のように忙しい教会でしたので、学業に支障をきたすのが目に見えていました。
 だから離れました。(終わり)
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 以上になります。
 忙しすぎる、弟子訓練を導入している、牧師絶対服従を教える、信徒どうしの連絡を禁止する、(部活動などの社会的な)行動を制限する、というのはどれも、教会のカルト化の要因として挙げられているものです。それだけで教会がカルト化していると断定できるものではありませんが、要注意と言わざるを得ません。
 また年がら年中イベント等で忙しいと、それはそれで(人によっては)充実感があるでしょうが、多くの場合疲れてしまって、判断力が削がれ、余計に牧師の言いなりになってしまう、という危険性があります。ひどくなると自分がやっていることの善悪がわからなくなってしまいます。あるいは「不本意だけど、言われたから(神様のために)やらねばならない」という被害的・強制的・義務的な側面が強くなります。ほとんどカルト化の一歩手前みたいな状態です。というかカルト化している教会には、それらの状態が例外なく見られます。

 キリスト教会と言っても本当にピンキリです。実際にはカルト化なんて無縁なところが多いでしょうけれど、中には上記のような教会もあります。よく知らないで通っている方は、注意された方がいいでしょう。

 体験談を寄稿して下さったハミリオンさん、ありがとうございました。

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