「伝道」って難しくないですか?

2018年12月5日水曜日

教会生活あれこれ

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 今回は「伝道」についてちょっと書きます。

 福音派系の教会がよくやるのが、英会話教室やギター教室、料理教室などを開いて、集まった地域の人たちにじっくり時間をかけて福音を伝えていく伝道です。英会話やギターや料理などを入り口にして、少しずつ教会を知ってもらおう、福音を知ってもらおう、という「間接的な伝道」ですね。なかなか時間のかかる方法ですが、効果はあるのでしょうか。

 たとえばある教会は、英会話教室で毎週何十人もの子供たちを集めています。英会話教室としては、なかなか成功した方でしょう。

 でもその子供たちは、ほとんど救われて(入信して)いません。クリスマス会などのイベントには来ても、普段の礼拝には来ませんから。ということは英会話教室としては繁盛していても、教会の伝道としてはイマイチな結果だ、ということになります。もっとも将来的にその子たちが教会に興味を持つ可能性はありますが。
 いずれにせよ、即効性のある「伝道」ではありません。

 そして私の知っている多くの教会が、伝道に関してはこれと同じような状況です。直接的な伝道を頑張ったり、カルチャー教室などの間接的な伝道をあれこれ工夫したりしますが、目覚ましい成果はありません。教会員数は横ばいか、良くて微増です。どこも伝道に苦労しているようです。皆さんの教会はいかがでしょうか。

 一方で、とても大きな教会もあります。
 たとえば都内のA教会は、信徒数300人超です。日本では規模の大きい方でしょう。ではA教会はどんな伝道をしているのでしょうか。

 でもこの教会の伝道方法も、基本的に他と変わりません。NPO活動やカルチャー教室を入り口とした、間接的伝道が主です。マンパワーが充実しているので活動規模は大きいのですが、かと言って、未信者がどんどん集まって、どんどん救われているわけではありません。

 ではなぜ教会が大きいかと言うと、「働き」を求めるクリスチャンたちが集まってくるからです。
「あの教会は、活発に活動している」
「自分が重荷としている(やりたいと思っている)働きをしている教会だ」
 みたいな噂を聞きつけて、ノンクリスチャンでなく、クリスチャンが集まってくるのです。
 だから伝道効率が低くても、人が増えるという。

 日本のキリスト教界には、こういう人口動態があると私は思っています。
 活発なところ、大きいところ、評判がいいところにクリスチャンが集まります。人が人を呼ぶと言いますか(あるいは、教会を決めかねている放浪系クリスチャンがこういう教会に集まりやすいのかもしれません)。

 だから小さいところはいつまでも変わらないか、あるいは徐々に小さくなっていきます。大きいところはどんどん大きくなっていきます。
 でもそれで、大きい教会が「伝道に成功した」と言うことはできません。未信者を沢山獲得しているのでなく、少ない資源(クリスチャン)を集めているだけですから。
 クリスチャンの総数は変わらないので、なんとなく椅子取りゲームの逆バージョンみたいな感じ、と言ったらいいでしょうか。

 もちろんこれは福音派系(あるいは聖霊派系)の教会の話ですから、別の教団教派はまた事情が違うかもしれません。どうぞ詳しい方がいれば教えて下さいませ。
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※本記事はメルマガ第45号から一部抜粋、編集したものです。

メルマガ第45号テーマ「伝道」
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