【体験談】全てをむしり取る教会(HN:reiさんの体験談②)

2017年11月15日水曜日

体験談

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 今回は読者の皆さんから頂いた体験談をお送りします。
 以前も投稿して頂いたreiさんの、追加の体験談です。強制的な伝道や奉仕、リーダーたちの非常識、その他の諸々を通して、reiさんはついに教会を離れる決意をします。さて、決定的な要因は何だったのか。前回のものと併せてお読み下さい。

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全てをむしり取る教会(HN:reiさんの体験談②)

 以前体験談を投稿させていただいたreiです。前回投稿してから、いろいろ思い出したことがあったのでシェアしたいと思います。

 前出のセクハラ事件を機に、教会内で騒動がありました。結果的に新しい牧師が招聘されました。でも首がすげ替えられただけで、やることは同じです。むしろさらに教会開拓だ、伝道だ、と旗が掲げられて、信徒は奉仕や献金など負担を強いられるようになりました。セクハラ事件(と言うより性犯罪)の反省も何もありません。

電車伝道

 毎年8月下旬から9月上旬ごろ、何人かの信徒(10人ほど)が各地方の教会を訪問するというイベントがあります。私の時はY県とA県とS県でした。基本的に新幹線は使わず、「青春18きっぷ」を使ってローカル線で行きます。その道中、車内で伝道することが義務化されていました(普段から伝道の訓練なるものがありました)。
 二人一組になって、一人でいる乗客に声を掛けます。未信者用の冊子を一緒に読んで、それを受け取ってもらえれば成功、といった感じです。もちろん違法行為です。でもリーダーらは「実りがあるから重要なんだ」と言っていました。
 当然ながら、車内では白い目で見られます。電車内で勧誘する宗教団体に良い印象はないでしょう。日本宣教に情熱があると言いながら、キリスト教のイメージを悪くさせてどうるするんだと思いました。
 私は嫌で嫌で仕方ありませんでした。でもやりたくないと言っても、聞き入れてもらえませんでした。

非常識な教職者

 教職者たちにもいろいろ驚かされました。教職者と言っても、教会がやっている神学校(私塾)を出ただけの、学位などない人たちでしたが。
 彼らは教養だけでなく一般常識にも欠けていました。私は偶然、教職者宛に届いた税金の督促状を見たことがあります。滞納していたのでした。それなのに信徒(特に新来者)たちにはあれこれ奢っていて、よくわからない金銭感覚でした。
 違法駐車も平気でやります。待ち合わせ時間も守りません。何の連絡もなく1時間も2時間も遅れてきて、何の謝罪もありませんでした。「あなたの祖父母は天国にはいない」と言われたこともあります。その真偽は別として、本人に向かってそんなことを言うなんて、随分デリカシーのない人だなと思いました。
 こんな人たちから聖書を教わりたくないと、心底思いました。

半強制参加のキャンプ

 前回夏のキャンプについて書きましたが、冬にもキャンプがあります。冬の方は施設を借りるので夏ほどの辛さはありませんが、スケジュールはびっしり詰まっています。
 私の友人は、このキャンプを断るのが大変だったそうです。予定があると言えば「そんな約束は後からでも埋め合わせできる。このキャンプは違う。絶対に恵まれるから行った方がいい」と言われ、それでも断るとあからさまに不機嫌な態度になったそうです。教職者やリーダーだけでなく、その人と仲の良い信徒まで駆り出して、総出で連れて行こうとするのでした。
 私も金銭的な理由で断ったら、教職者が参加費を全額負担してくれたことがありました。例の滞納者ですが。どこからお金が湧いてくるのか、不思議で仕方ありません。

ライブで大騒ぎ

 私はキャンパスでのライブの運営を担当したことがあります。教室を借りたり、ビラを作ったり、あれこれ手配したりしました。でもライブの許可を取ったわけではなかったので、大学側にバレないようにしなければなりません。それなのにライブ当日、教職者たちは通りがかる学生に手当たり次第に声をかけたり、アンプで大音量を出したり、わざわざドアのそばで歌ったりと、まるで見つけてくれと言わんばかりでした。当然隣の教室にも人がいました。もし通報されでもしたら、教室を借りた私の責任になります。内心とても冷や冷やしました。そのことを打ち明けると、教職者たちはその場では納得してくれました。しかし後から「あの人には神様が見えていない。リバイバルが起ころうとしているのに」と言っているのが聞こえてきました。
 別に嘘をついてまでリバイバルを起こす必要なんてない、と思いました。

ダミーサークル

 実はこの教会は、いろいろな大学にダミーサークルを作っています。私のところはボランティアサークルを名乗っていました。ライブ以外(特に新歓期)に伝道するときは「ボランティアをしないか」と誘います。教職者は毎週、各大学を回って集会を持つことになっているので、まずはその集会に来るように言います。この集会では「教会」というワードは厳禁でした。怪しまれないようにするためです。でも最終的に教会に誘い込みます。だから本人は意図せずして教会に出入りすることになります。そしてある程度定着したところで聖書の教えを叩き込む、という感じです。

教会を離れた理由

 キッカケは、私の扱い方が雑になったと気づいたことです。教職者、信徒共にです。初めはあれこれ親切でしたが、それが手のひらを返したように変わりました。ものを盗られたり壊されたり、携帯を勝手に見られたり、個人的なことでからかわれたりしました。同じ頃に礼拝時間が勝手に変わっていたりと、教会全体に不満があったのも要因の1つです。

 ちょうど大学の卒論、就活の時期でしたが、卒論にまで口を出されました。
「なんでそのテーマなの?」
「それが神様とどう関係あるの?」
 前回も書きましたが、就職についても恋愛についても、同じように介入されました。
 ここにいては自分の好きなことが出来ない。そう感じて離脱を決意しました。その教会の問題点を長年指摘している専門家がいましたので、話を聞いてもらい、アドバイスをいただいたきました。そしてその日のうちに教職者に「もう教会には行かない。不必要な訪問や連絡はしないでほしい」とだけメッセージを送り、それきりです。

 結局、私は教会に利用されただけだと気づきました。
 元々金儲けのために作られた教会です。日夜教会のために尽くす信徒だけが重要なのです。信仰はそのための道具に過ぎません。信仰と言っても、聖書の基本的な知識と教会のルールを叩き込めば完成する信仰モドキですが。カップラーメンみたいなものです。

 本当にこの教会を抜けることができて良かったと思います。教会に疑いを持ち出したのは就活真っただ中の時でした。教職者から言われた通りの条件(主日絶対厳守など)ではどうしても上手くいかず、かなり悩みました。教会を去り、無事に内定をもらうことが出来てホッとしています。教会に居続けたら、きっと人生のすべてを教会にむしり取られていたのではと思います。(終わり)
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 以上になります。
 こういう教会やリーダーの実態は、当ブログを読んで下さっている方はご存知だと思いますが、決して珍しいものではありません。特徴や傾向は様々ですが、根本的に同じような問題を抱えた教会やリーダーが、至る所で見られます。驚くくらい同じことをしている場合もあります。

 私はこの手の問題ありなリーダーを見るといつも考えます。この人は「最初から」こうだったのだろうか? あるいは少なくとも最初は、良い動機を持っていたのだろうか? と。
 私が甘いのかもしれませんが、どんな牧師も初めは金儲けなど考えない、信徒を心底大切にする、あくまでキリストの教えに従順な、良い牧者であろうとしたのではないか、と考えてしまいます。そう期待してしまいます。実際のところはわからないのですけれど。 

 しかし最初がどうであれ、上記のような状態になってしまったら、もはや教会のリーダーとして適格とは言えないでしょう。残念なことですけれど。
 実はここには書いていないのですが、冒頭の牧師の交替を巡る騒動は、相当大きなものでした。しかもあり得ない決着の仕方をしてしまっています。結局加害者が美味しい思いをし、被害者はやられっぱなしです。「正義は勝つ」など幻想なだけでなく、そもそも正義などどこにもないのではないか、とさえ思ってしまいます。

 さて神様はこのような状況をご覧になって、いったい何と言われるのでしょうか。

 最後に1つ、読んでいて見過ごせなかったのが、大学のダミーサークルの存在です。甘美な言葉で学生たちをサークルに誘い込み、まとめて教会に送り込むという勧誘モデルは、新興系プロテスタントだけでなくいろいろな新興宗教が実践しているようです。その被害者の多くは大学に入ったばかりの、ほとんど高校生みたいなものでしょう。当然ながらその手の知識や経験、判断力に乏しいですから、良いカモになってしまいます。この被害の実態がどれくらいの規模なのかわかりませんが、決して小さくないと思います。

 つまりreiさんのような方が、今日もどこかで苦しんでいる、ということです。
 身近なところにそういう人がいる方は、ぜひ注意してあげて下さい。そして被害を少しでも減らし、第2のreiさんを作らないことが、この体験談を掲載する大切な意義だと私は考えています。

参考

 reiさんの前回の体験談、「絶対にお勧めできない教会」はこちらからどうぞ。

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