Dark Knight Rises

2012年10月6日土曜日

映画評

t f B! P L
邦題「ダークナイト・ライジング」

ペプシコーラのキャンペーンにダメもとでトライしてみたら、2回目で当選した。というわけでペアチケットが送られてきたので、夫婦で鑑賞。

久しぶりの劇場鑑賞。上映開始から1ヶ月以上たっていたせいか、ほぼ貸し切り状態。3時間に及ぶ上映だが、まったく飽きなかった。

一言で言うと「圧巻」。
「伝説が壮絶に終わる」というコピーだが、あの結末は「伝説の始まり」ではないだろうか。
前作「ダークナイト」ではトゥーフェイスがサプライズ登場したので、今回は誰だろうと期待していた。こちらもビックリ。ただ、さりげないので、わかりづらいかも。

■あらすじ
「ダークナイト」の結末、デントの罪を被ったバットマン(ブルース)は、引退し、人目を避けて隠遁生活を送っている。あの転落で片脚を悪くし、杖に頼って歩く有様。
ある夜、メイドを装って屋敷に侵入したキャットウーマンに、母の形見のネックレスを盗られる。調べると、彼女の背後には圧倒的な力と組織を持つベインがいた。
ブルースはバットマンとして復帰するが、ベインに返り討ちに合う。財産を奪われ、背骨に大きなダメージを受けた挙句、とある国の地下牢に幽閉されてしまう。アルフレッドはすでに去っている。ブルースは孤立無援の地下牢の中、モニター越しにゴッサムの破滅を見せられることになる。

■雑感
とにかく前半のブルースがダメダメである。これでもかというほど惨めである。この役ならシルベスタ・スタローンがよく似合うかな、と思った。しかしここはクリスチャン・ベイル。不屈の闘志と高潔さを感じさせる眼差しは、やはりバットマンにふさわしいだろう。
後半、地道にトレーニングを積んで地下牢の内壁を登り始めるあたりから、原題 Dark Knight Rises の意味が見えてくる。

構成のうまさにも驚かされる。
ブルース不在の間、ゴッサムでは新任刑事のブレイクが活躍する。彼はいったい何者なのか? バットマンの正体に勘付いており、その身の潔白も信じている。誰にも媚びず、正義のために行動する。どこかブルースに似ている。そしてバットマンに代わって、ゴッサムで正義のために戦う。
そのブレイクの正体が、最後にわかる。「あ、なるほど」と唸らせられた。

監督のクリストファー・ノーランがどんな人物かよく知らないが、同じ俳優を好んで使うタイプかな、と思う。
「インセプション」の顔ぶれが目立つ。「バットマン ビギンズ」の渡辺謙も「インセプション」に出ていたし。
ちなみに「インセプション」のディカプリオの奥さん役が、本作でも重要な役で出ている。

スケアクロウも登場してくれて嬉しかった。演じるキリアン・マーフィは私の好きな俳優の1人である。「サンシャイン2057」で主人公だったのを最近知って驚いた。脇役専門だと思っていたもので。

ベイン役のトム・ハーディは一体どうしたのか。まったく面影がない。言われなければ同氏だとはわからなかっただろう。いや、言われてもわからないか。まったくの別人である。
悪の権化みたいに登場するが、最後は憎めない一面も見せる。

アン・ハサウェイ演じるキャットウーマンは、やはりルパン3世の不二子のような役回りになるのが、妥当だっただろう。ブルースを何度も裏切るが、最後は助ける。

ラストは恥かしながら、ウルウルしてしまった。ブルースの最後の選択に始まり、フォックスに知らされる事実、アルフレッドの夢の実現、そしてブレイクの発見。怒涛のクライマックスである。いつものBGMも合間って、もう完璧にやられてしまった。

これで終わりなのだろうか。終わってほしいような、ほしくないような。
下手に続けるよりは、これで終わるのが良いのかもしれない。

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