「終末」信仰がもたらすもの

2023年10月9日月曜日

「終末」に関する問題

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  イスラエルの有事のたびに「終末」とか「患難時代の幕開け」とか「終わりの始まり」とか中二病っぽいことを言い出すクリスチャンがいる。1948年のイスラエル建国以来ずっと続いている現象だ。彼らが正しければ、世界はすでに幾度となく終わっている。

「終末」を煽るクリスチャンの行動パターン


① 世界情勢(特に中東情勢)の悪化を「終末」と言い、恐怖や不安を煽る。

② 結局何も起こらず危機が過ぎると、「主が思い直された」と言う。

  あるいはその件に一切触れない。

③ ①の発言について、絶対に訂正したり謝ったりしない。

④ 日常に戻るが、「目を覚まして祈っていなさい」など偉そうに言う。

  ※自分はいつも「何でも分かっている」側なのだ。

⑤ 再び世界情勢が悪化すると、また「終末」と言い出す。①に戻る。


 手頃な危機に飛びついて「これは終末のしるしだ」と根拠がないにもかかわらず真顔で主張するのが浅はかだ。他人の恐怖や不安を煽って信じさせようとする点は陰謀論に近い。そのくせ、現地で空襲などの被害に遭っている一般市民のことなど気にも掛けない。要は、自らの中二病的承認欲求を満たしたいだけだと思う。相手にしてはいけない。

 クリスチャンは「イスラエル贔屓」にも注意すべきだ。中には「クリスチャンならイスラエルを贔屓して当然だ」と主張する人もいるけれど、聖書に出てくるイスラエル民族と現在のイスラエル国家は別物だし、そもそも侵略しているのはガザでなくイスラエルの方だ。クリスチャン(キリストに似た者)なら、イスラエル側の暴力を憂慮するのではないだろうか。しかしなぜか、「終末」と「イスラエル贔屓」はいつもセットで登場する。


 「世の終わりが近い」と主張するクリスチャンもいるけれど、根拠がなく無責任だ。「世の終わり」で人を怖がらせたり、逆に「神の国の到来」で人に希望を持たせたりするのはそれ自体が「惑わし」に近いと思う。結果、「終末」を強調すればするほど、クリスチャンはキリスト教信仰から離れていく。

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