教会でもセクハラに気をつけましょう

2018年5月11日金曜日

教会生活あれこれ

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 ここ20年ほどで、日本人の「人権意識」は徐々に高まりつつあると思います。99年に男女雇用機会均等法で、セクハラ防止が義務付けられたあたりからですね。

 もちろん現状をみると「まだまだ」という感じなんですが、それでもセクハラ、パワハラ、モラハラ、アカハラなど、各種ハラスメントが定義・認知されるようになりました(今は40種類くらいのハラスメントがあるそうです)。
 特にセクハラ、パワハラについては大きく報道されたり、SNSで拡散されたりするケースが増えてきています。

 しかしそうしたハラスメント意識の高まりとは裏腹に、いまだに前時代的なセクハラやパワハラが横行している現状もあります。それを指摘されて「そんなんじゃ何も言えないよ」みたいな戯言を吐く、どうしようもない人たちもいますね。時代の流れに付いて行けないか、あるいは自分のスタイルを変えられない(変えたくない)かでしょう。そういうのは厳しく処罰されたらいいと個人的には思いますが。

 ではキリスト教界ではどうかと言うと、やはり各種ハラスメントが横行している現状があります。あるいは、気付かないでやっている現状があります。もちろん一部の教会群だけだと思いますが(そう思いたいです)。

 教会はどうしても閉鎖的になりやすいですから、世間一般の感覚からズレてしまうことがあります。だから司牧の皆さん、役員の皆さん、指導者の皆さんは、特にそのあたりの情報には敏感になる必要があるかと思います。

 というわけで今回は、教会で、主に男性司牧が女性信徒を相手にやらかしてしまいそうなセクハラ(パワハラに被るところもあるかも)について、考えてみたいと思います。
 女性信徒の皆さんは、これらの行為はセクハラに当たりますので、もしお心当たりがあるならば、我慢しないで訴えていただけたらと思います。

教会でも気をつけたいセクハラ

・奉仕の場などで、無断で相手の身体に触る

 これは非常にわかりやすいセクハラです。スキンシップだとか、コミュニケーションだとか、無意識だったとか、そういう言い訳は通用しません。
 相手が司牧だとなかなか文句を言えない信徒が多いですから、やった方が気付きにくいセクハラでもあります。でも信頼を一気に崩す破壊力バツグンです。絶対にやめましょう。

 ・映画や食事などにしつこく誘う

 相手が断りづらい立場であることをわきまえましょう。また、もし来てくれたとしても、喜んではいけません。嫌々ながら来た可能性大ですから。
 また教会活動と関係ないことで出掛けるのは、親しい間柄であっても異性とは避けた方がいいでしょう。年齢差が大きい場合はほぼアウトです。

・教会活動や奉仕に関係ない連絡やメールを頻繁にする

 これは、たとえば会社の上司が部下にやったら完全にアウトです。教会では「みな家族」という意識があるかもしれませんが、基本的に他人なので、やめて下さい。
 プライベートについて執拗に尋ねるのも同様です。

・服装や持ち物についてやたら褒める/けなす

 褒める場合は社交辞令的に、あるいは礼儀的にやっているつもりかもしれません。でも相手が異性の場合は、「そこに言及しない」のが本当の礼儀です。

・身体や容姿、年齢に言及する

 痩せたね、というのを褒め言葉として使いたくなるかもしれませんが、それも含めて異性の「身体」「容姿」「年齢」について言及するのはダメです。
 以前、欧米から来た宣教チームの女性に年齢を尋ねてしまった男性牧師がいましたが、一気に場がシラけ、女性たちから睨まれ、男性たちから非常識だと散々責められてしまいました。むこうの人権意識はそれくらい高いですから、よくよく注意して下さい。

・「結婚すべき」と思わせる発言をする

「いつまで仕事続けるの?」などの間接的なものから、「早く結婚したら」という直接的なものまで、とにかく「結婚すべき」という価値観を押し付けてはいけません。
 先日も「結婚しないなら税金で老人ホームに入ることになる」などと発言した議員が、見事に謝罪に追い込まれていましたね。ああいう人たちはニュースを見ないのでしょうか。怖いくらい時流が読めていません。

・「出産すべき」と思わせる発言をする

 早く子供産まないと、産めなくなるよ? みたいなアドバイスはやめましょう。自分ではナイスな助言と思っているかもしれませんが、言われた方は負担でしかありません。
 上記の謝罪議員は「子供3人以上産まないと」などと言ったそうですが。

・不適切な性差差別をする

 たとえば「女(男)には務まらないよ」「女子力が高いね/低いね」「女性だからキッチンの奉仕はよろしく」などですね。
「女子力」については言ってもいい場面があるかもしれませんが、少なくとも司牧にはありません。

・胸やお尻のあたりを見る

 自然に目に入ってしまうのと、積極的に見ようとするのとでは、全然意味が違います。

・彼氏/彼女はいるの? と尋ねる

 信徒に彼氏や彼女がいようがいまいが、司牧には関係ありません。余計なお世話です。

・主に女性から男性へのセクハラ

「男性なのに◯◯」「男性なんだから◯◯」「臭いからあっち行って」などですね。
 ちなみに男性は匂いにも気をつけるべきだと私個人は思いますが。

迷った時は

 他にも沢山あると思いますが、とりあえずこのように、様々なセクハラ事例があるということです。時代とともに変遷していくものでもありますから、教会を運営する立場にあるならば、特に意識して情報収集すべきでしょう。

 特に自分では気付いていなかったり、むしろ善意で行なっていたりすることが、ハラスメントに該当していることがあります。役員どうしで注意し合うような仕組みがあったらいいかもしれませんね。

 もしセクハラかどうか迷った時ですが、相手がセクハラだと思ったらそれはセクハラです。やった方の意図も気持ちも関係ありません。
「そんなこと言ったら何もできない」という意見があるかもしれませんが、そうですね、そう言う人は何もしない方がいいでしょう。

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