2014年11月20日木曜日

【解説】キマジメくんのクリスチャン生活・超教派集会篇・その1

「キマジメくんのクリスチャン生活」第22~27話の解説。超教派集会篇。
 本文はこちらから。

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 長いエピソードである。溝田牧師の勧めで献身を考えていたキマジメくんが、ある超教派集会に奉仕者(ボランティア)として参加し、そこでいろいろなクリスチャンの生態を見聞きする、というもの。
 超教派集会と言ってもいろいろあるだろうけれど、ここではペンテコステ系(福音派も入るかも)が関東圏で開いているものの典型例を示している(と思う)。
 以下、特徴的なものを項目を挙げて解説してみる。

・集まるのは当然ガチガチのペンテコステ系クリスチャン

 集会が始まる前、会衆席で「異言」で熱心に祈るご婦人たちがいて、キマジメくんを驚かせる。彼女らは何かを期待しているようである。それでガヤガヤしている会衆席で、一列に座って手を繋ぎ合い、一際大きな声で「異言」で叫んでいるのである。

 実はこれは筆者の実体験でもある。
 確か初めてか2回目くらいに行った超教派集会で、まったく同じ光景を目撃した。始まる前、40~50代くらいのご婦人方が、わき見も振らず「異言」で祈っていたのだ。開演のブザーが鳴るまで続いたから、けっこう長時間である。会衆席は大勢が出たり入ったり、ガヤガヤしていて、誰もそれを気にする風ではなかった。けれどそれまで「異言」にあまり触れたことのなかった私は、たいそう驚いた。もちろん肯定的な意味の驚きだったけれど。

 しかしその「異言」はここでも指摘してきた通り、「ダダダ」とか「ラララ」とかの意味不明な単語の連発であって、聖書が示す異言とはまったく違う。牧師とか有名講師とかに言われるがまま語っているだけだ。そして、それを完全に正しいと信じている。やるせない話である。

 ところでそういう「異言」の祈りは、聖書の別の規定にも反している。つまり初心者、未信者に異言を聞かせるべきでない(第一コリント14章)という規定を無視している。1000人規模の(一応)無料の超教派集会の、誰がいるともわからない会衆席で、集団になって「異言」をまくしたてるのだから、そう指摘されても仕方ないであろう。

 ペンテコステ系全般に言えることだと私は思うけれど、聖書の読み方が断片的、一面的なのだ。年間通読など頑張っている人は大勢いるけれど、彼らは何周通読しても、聖書全体が何を言っているのか、全然見えていない。だから自分のしていることが聖書の記述と明らかに矛盾していても、まるで気づかない。あるいは都合よく解釈(曲解)している。

・波乱万丈な賛美

 こういう集会の賛美リードは、だいだい有名教会の賛美チームがやる。それなりに上手で、自教会のレーベルを作ってCDを出すような教会が多い。つまりかなりプライドが高い。もちろんそんな素振りは見せないけれど。

 こういう教会や集会の賛美は波乱万丈である。はじめは「プレイズソング」を何曲か、元気よく歌い、飛び跳ねたり踊ったりする。続いて「ウェルカムタイム」とかで、近くの人と挨拶し、握手したりハグしたりする。続いてミドルテンポな賛美を歌い、司会者が上手にお祈りしたりして、「ワーシップソング」に入る。メロディアスな曲で感極まってくると、決まって泣きが入る。司会者が「悔い改めましょう」とか「献身を新たにしましょう」とか勧めると、全体で泣いたり叫んだり祈ったり、もう訳の分からない状態になる。牧師に言わせるとそれは「聖霊様の自由な導き」ということになり、熱心な信徒に言わせると「生ける神様が生き生きと働かれる時間」ということになる。

 そういう訳で歌ったり踊ったり、笑ったり泣いたり、いろいろ忙しいのがこういう集会の賛美である。しかも30分以上かかることもあるから、もう賛美だけでお腹いっぱいである。でもまだまだ序の口だ。

・感動的な献金の勧め

 この手の集会は、だいたい賛美の後に献金の時間を持つ。賛美の後で気持ちが高ぶっているから、財布のヒモが緩んでいる、と想定しているのかもしれない。

 こういう集会は基本的に入場無料、参加費無料だから、運営的には厳しいと思う。会衆には是非とも献金してほしいところだろう。そういう狙いがあってか、「献金の勧め」という時間があって、偉い(?)先生が出てきて話す。だいたい以下のような話だ。
「経済的に苦しい時、思い切って献金したらそれ以上の祝福を得た」
「会堂建築で本当にお金が必要だった時、必要額ピッタリが与えられた」
「ある集会に参加して、神様に感動して財布ごと献金してしまった。帰りの電車賃さえなかった。けれど帰り道、会うはずのない知人と偶然出会って、車で送ってもらえた」
 つまり、神様があなたの必要を満たすでしょう、だから今ここで捧げてね、という話だ。
 要はそういうことなのだけれど、熱心な人は感動の涙に濡れて、キマジメくんみたいに沢山捧げることになる。

 以下、まだ続くのだけれど、長いので次回に回したい。

1 件のコメント:

  1. なんだかSF商法とそっくりだなあと笑ってしまいました。
    あの商法でも店舗(たいていは閉店した店を三か月ほど借りてやる仮店舗)で、「アルツハイマーになったら家族は本当に大変です。」「私の祖父がガンで亡くなりましたが、見ている私たちのほうがつらかったのです。」「子供の足をひっぱることは絶対にしたくありませんよね?」等々、高齢者の不安をあおるような話やお涙ちょうだいな話を、ユーモアをまじえながらいろいろとします。
    そして最後は買え買えモードで、「ロイヤルゼリー三か月分です。本当なら百万円で売るような高品質のものですが、みなさんには特別に五十万で・・・」とやって、高額な健康食品を買わせるのです。SF商法の店舗の雰囲気と新興宗教系プロテスタントのイベントには、怪しい空気が流れているという点で似たようなものがあると思います。

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