イスラエルのガザ地区侵攻を見て「終末だ」と言うクリスチャンの浅はかさ。

2014年7月31日木曜日

キリスト教信仰 時事問題

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 イスラエル軍のガザ地区侵攻によるパレスチナ人の犠牲者が、1000人を越えた。その大部分が一般市民だという。
 26日、イスラエル軍とハマスとで12時間の停戦合意がなされた。けれど、停戦延長はされなかった。その理由を、イスラエル側はハマスが停戦案に合意しなかったからだと主張し、ハマス側は不利な停戦案を一方的に突き付けられたからだと主張している。真相はよくわからないけれど、結果的にイスラエルによる空爆は続行され、ガザ地区の被害は拡大している。

"I might die tonight"(今夜死ぬかもしれない)とツィートしたガザ地区の少女がメディアで取り上げられている(記事はこちらから)。イスラエル贔屓の人に言わせれば「ヤラセじゃないか」となるのかもしれない。けれどこれまでの文脈から考えると、現実味がある。仮にこのツィート自体がヤラセだとしても、「いつ死ぬかわからない」という状況のパレスチナ人は、決して少なくないように思う。

 ひるがえって日本のクリスチャンを見てみると、こんなことを言う輩がいる。

「(イスラエルを取り巻く状況を見て)ついに引き金は引かれた。誰かがイスラエルに手をかける

 終末の到来だ、ということだ。正直、あきれる。本人は「神の秘密」を代弁しているつもりだろうけれど、結局のところ、終末予想を楽しんでいるに過ぎない。その背後でどれだけの人が苦しんでいるか、犠牲になっているか、全然見えていない。今夜死ぬかもしれないパレスチナ市民のことを少しは考えられないのだろうか。彼らこそ人生の「終末」をリアルに感じているだろうに。私に言わせれば、完全に独りよがりな「信仰ゴッコ」である。「引き金は引かれた」とか、「中二病」じゃないだろうか

 基本的なことだけれど、黙示録や聖書の終末関連の記事を、現在の世界情勢に当てはめるのは全然意味がない。パウロをはじめ、おそらく各時代のクリスチャンらが、自分たちの時代こそ世の終わりだと本気で考えてきたのだ(終末の時期を予想していたという意味ではない)。だから今この時代が終末に近いと考える心情はわかるけれど、リアルタイムの情勢を見て「これこそ終末だ」と言うのは、はっきり言って愚かである。
 これで終末が来なかったら、彼らは何と言うつもりだろうか。「自分がとりなしたから回避された」とでも言うつもりだろうか。だとしたら、もはや付ける薬がない

 もちろん、終末はまだ来ないと考えるのも違う。それはいつ来てもおかしくない。パウロのように「今は終わりの時」と考えるのは正しい。
 けれど、その時期は「誰にもわからない」と聖書は明言していて、「終末予想」を完全に否定している。だから「この世界情勢は終末を意味している」というのは明らかに聖書に反している。そんな簡単なこともわからないのは、聖書をちゃんと読んでいないからだ。そしてそういう人間に、神だ何だと語る資格はない

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