"Jesus Camp" 紹介。反面教師としてだけれど。

2014年6月20日金曜日

カルト問題

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 "Jesus Camp" というドキュメンタリー映画がある。2006年のアメリカのものだ。邦題は「ジーザス・キャンプ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~」となっている。アメリカの福音派団体がクリスチャン子弟向けに開催したキャンプに、密着して撮影したもののようだ。たまたま知ってダイジェスト版を観たけれど、非常に衝撃的だった。

→"Jesus Camp" ダイジェスト版

このダイジェスト版でよくしゃべっている女性は、「キリスト教福音宣教会」の代表、ベッキー・フィッシャーとのこと。映画「ハリーポッター」を「神の敵」と呼び、カメラの前で堂々と「異言」を語り、子どもたちに「聖霊によって」手を置いて祈っている。祈られた子たちは恍惚状態で、両手を挙げて天を仰ぐ。泣いたり叫んだりしながら祈る子どももいる。
 他にも、「清め」と称してペットボトルの水で子どもたちに手を洗わせ、陶器を悪魔に見立ててハンマーで割らせる。いわゆる「預言的アクション」だ。子どもたちはいたって真剣に、「イエスの御名によって」泣きながら手を洗い、陶器を割る。湧き上がる歓声は子どもたち自身のものだ。フィッシャー女史は「これは(霊的)戦いだ」と叫び、この世という悪から清められること、勝利することを強調する。
 幼い少女が号泣しながら祈る。彼女の口からは「ユダの獅子」という言葉が出る。
 最後は、ボーリング場でボーリングを楽しむシーンだ。と思いきや、少女は投げる前に跪いて祈っている。そして隣のレーンの客に、伝道のパンフレットを渡す。

 何が衝撃的だったかと言うと、上記の映像そのものでなく、それが私の知っている教会とまったく同じ雰囲気だったことだ。見てすぐに強烈な既視感を覚えた。その映像の中の空気や音を、肌で感じられるくらいだった。
 もちろん陶器を割るとかいうディティールは違うけれど、リーダーの導き方とか、しゃべり方とか、使う言葉とか、それに対する信徒の応答の仕方とか、全体の雰囲気とか、本当に似ている。同じと言ってもいいかもしれない。

 副題にある通り、その様相はまさに「原理主義」と言えるものだろう。子どもたちはおそらく真剣に「神様を愛している」のだろうけれど、それは「神に対する真摯さ・純粋さ」というより、「やりすぎ」「狂信」に近いだろうと私は思う。

 小学生のうちからこういう原理主義にどっぷり浸かった子どもが、将来どう育っていくのか、見たいような見たくないような、という感じだ。子どもたちはリーダーの言うことを100%信じるだろうから、その方向に育っていく他ないような気がする。親はどう思っているのだろうか。おそらく親も同じ信仰なのだろうけれど。

 ちなみにこの動画はYoutubeに上げられている。「高評価」より「低評価」の方が多いのが、せめてもの救いだ(2014年6月20日現在)。

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